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2016.09.28

米ファミリーカー市場に変化、SUVの圧倒的人気で「セダン」は絶滅するのか?

Rock and Wasp / shutterstock

アメリカで、ファミリー向けセダンの人気低下に拍車がかかっている。子どもを持つ親たちが、より大型のクロスオーバーSUVやミニバンの方を好む傾向になっているのだ。

セダン不振の理由を一言で言えば、それは「サイズ」だ。自動車関連のウェブサイト、カーグルズ・ドットコム(CarGurus.com)が18歳未満の子どもを持つ1,400人の親を対象に行った調査によれば、複数の子どもを持つセダン所有者のうち21%が、今の車は家族のニーズを十分に満たしていないと回答した。

SUVやミニバンの所有者で同様の回答をしたのは、わずか7%だった。今の車に対する不満を問う質問では、回答者の62%が“小さすぎる”と答えた。

販売統計がそれを裏付けている。自動車関連データ会社モーター・インテリジェンス(Motor Intelligence)によれば、2016年の1~8月の中型セダンの販売台数は、前年の同期間に比べて8.4%減少した。

一方で、同期間にクロスオーバーSUVの販売台数は前年比で8.6%増加。ミニバンについては、おそらく1月にクライスラーが新型ミニバンのパシフィカを発表した影響もあり、前年比で23.3%増加した。

クロスオーバーSUVおよびSUVのうち、特にトヨタRAV4やホンダCR-V、フォード・エスケープのようなコンパクトモデルは、自動車販売台数トップ20車種のうち8車種を占めている。これに対してセダンは、トヨタ・カムリ(7位)やホンダ・シビック(8位)を含め6車種にとどまっている。大型のピックアップトラックが依然としてトップ3を占め、トップ20に4車種ランクインした。

ここ何年かの間に大型車の燃費が向上したことに加え、ガソリン価格が安くなっていることも、各世帯がより大型のモデルに買い替える要因になっている。

例えばホンダのクロスオーバーSUV、CR-Vの燃費は、市街地や高速道路の走行時で約12.33km/L(米環境保護庁の推定値)。これに対し、セダンのホンダ・シビックはおよそ14.88km/L。だが、年間約2万4,000キロを1ガロン(約3.8リットル)当たり2.2ドル(約221円)で走行した場合、ガソリン代は約200ドル(約2万円)の差にとどまる。CR-Vの方がシビックよりも座席スペース、荷物を載せられるスペース共に広いことを考えれば、納得のいく差額といえるだろう。
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編集=森 美歩

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