コネクティッドカーは、アップルのCarPlay、グーグルのAndroid Autoなど欧米では普及が始まっているが、スマートカーの最大の市場と期待される中国での競争は、これから本格化しそうだ。
フォルクスワーゲン傘下の独高級車メーカー、アウディはコネクティッドカー開発でアリババ、バイドゥ(百度)、テンセント(騰訊)と提携した。アリババからは交通データの提供を受け、バイドゥが展開するスマホと自動車の連携アプリCarLifeと、テンセントのメッセージアプリWeChatを車体に搭載する。
バイドゥやテンセントがアップルに先行
中国の上海汽車は7月、アリババのスマホ向けOS「YunOS」を搭載したSUV車Roewe RX5を発表した。ドライバーはオンラインで食事を注文したり駐車場を探したりでき、アリババの決済サービスアリペイでの支払いもできる。アップルのCarPlayの中国版とも言えるバイドゥのCarLifeは、長安汽車やBYDなど8社に採用された。
中国の自動車のコネクティッドカー比率は現時点で8.5%に過ぎないが、調査会社IHSはその比率が2025年に世界で45%、中国でも38%に拡大すると予測する。
世界最大の自動車市場である中国は、特にコネクティッドカーに好意的だ。マッキンゼーが昨年公表した調査結果によると、コネクティッドカーへの乗り換えに前向きな態度を示した消費者の割合は、他の国は平均37%だったのに対し、中国では約60%に達した。
IHSシニアアナリストのマイケル・リウは、「ネット企業との協業は、車載インフォテインメントのユーザー体験を大きく向上させるだろう」と述べた。