28歳の若さで自らの命を絶った喬任梁は、「小時代」や「後宮の涙」といったテレビドラマで親しまれ、ここ8年間で24本の映画に出演。最新作の「我們的十年」は現在も中国全土で上映中だ。
喬任梁が16日夜に自殺して以降、中国のソーシャルメディアはファンによる熱のこもった投稿であふれている。その内容は、若きスターの死を嘆くものだけでなく、中国の深刻な社会問題でありながらもめったに取り上げられることのない精神疾患やうつ病について問題提起するものも多い。
中国疾病予防抑制センターの統計によると、中国では全人口の5~6%がうつ病を経験しており、そのうち医療機関で治療を受ける割合はわずか10%、自殺に至る割合も10%という。
経済的に不自由がなく名声も手にしていた喬任梁でさえも、2015年にうつ病と慢性不眠症の診断を受けて以降、適切なサポートはほとんど受けていなかった。環球時報が事務所関係者の話として伝えたところによると、喬任梁は最近行われたテレビドラマの撮影中、医師から芸能活動を自粛するよう忠告されていた。
新浪微博で22日に投稿された100万件近いコメントで最も多く使われたハッシュタグは「送別喬任梁」で、多くのユーザーが、生前の喬任梁が好んだとされるピンク色の花の写真を投稿した。
新浪微博では今週、「喬任梁」と「うつ」のキーワードが常に話題のトップ10に入り、月間アクティブユーザー数8億人以上のチャットアプリ「微信(WeChat)」のニュースフィードは喬任梁の精神問題についての話題であふれた。
ネット上では、多くの人が自殺に追い込まれている現状を嘆く声のほか、喬任梁の死によってうつ病についての理解が進み、当事者が声を上げやすくなることを期待する声も上がっている。
また、国営メディアも今週、メンタルヘルス専門家らの意見を紹介する記事を相次いで掲載し、うつ病に苦しむ人々に対し治療を受けるよう呼びかけた。