デジタル化への適応による変化
デジタル化されたサプライチェーンとは、データ分析、クラウドコンピューティング、機械学習を駆使して需要をより的確に把握し、3Dプリンティングや先進ロボット工学、デジタル・サプライチェーンを活用した、より迅速でカスタマイズされた供給を意味する。まるでSFのように聞こえるかもしれないが、これこそナイキやジョンソン・エンド・ジョンソン、ゼネラル・エレクトリック、ハーレーダビッドソンなどが今まさに取り組んでいることだ。
ラルフローレンは先ごろ、ニューヨークのマディソン・アベニューにある店舗の前でランウェイショーを行った。「See now, Buy now(ショーで見てすぐ買える)」と名付けたこの戦略は、半年後ではなく今すぐ買える商品を重視するものだ。この戦略には、同社のステファン・ラーソン最高経営責任者(CEO)がファストファッションのH&Mで培ったサプライチェーンに関する経験が生かされている。このアプローチは、敏しょう性(アジリティー)が全てだ。
バーバリーのロベルト・カネバリ最高サプライチェーン責任者(CSCO)は昨秋に行われたSCMワールドのイベントでこう述べている。
「ウェブ、店舗、サプライチェーンのアップストリーム、製品設計に使用されるデジタル技術の組み合わせにかかっている」
変化が進む中、敏しょうに行動することができれば、うまく生き残っていくことができる。かつて“確かだったもの”は忘れるべき時なのかも知れない。