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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

Photo by Anna Hoychuk/Shutterstock.com

ハンドバッグ業界で働く者にとって、空港内の店舗ほどユーザーの生の声を聞ける場所はそうない。急成長中の新進ハンドバッグブランド「Dagne Dover」の創業者CEOメリッサ・マッシュ(Melissa Mash)は24歳の頃、高級革製品大手「コーチ」のスタッフとしてロンドン・ヒースロー空港で働いていた。

マッシュはニューヨーク大学在学中にコーチのインターンを経験し、卒業後、正式に入社。ロンドン・ヒースロー空港内店舗では、仕入れ、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)に加えて、9人の国際セールススタッフをまとめる仕事に就いていた。だが彼女にとって何より大きな収穫となったのは、来店する女性たちから直接“ハンドバッグ問題”を聞けたことだ。この目立つロゴさえなければ上品なバッグなのに。トートバッグの中に埋もれた鍵やサングラスを探すのが一苦労、といった話の数々だ。

「ドリンクボトルから漏れた飲み物でノートPCや携帯電話や重要な書類をダメにした経験は誰にでもある」とマッシュは言う。

その後、マッシュはコーチを退社し、名門ビジネススクールのウォートンでMBAを取得。2012年、フォーブスの「30アンダー30」にも選出されたディーパ・ガンディー、ジェシー・ドーヴァーとともに働く女性のためのハンドバッグ・小物のブランドDagne Doverを立ち上げた。コーチ、マイケル・コース、トリー・バーチ、ケイト・スペードといったブランドがライバルだ。

Dagne Doverの人気商品の一つであるコーティッドキャンバスでできたトートバッグは、内部の仕分けが売りだ。マグネット開閉式のノートPC入れに加えて、財布、タブレット、スマートホン、カード類、リップグロス、ペンそれぞれの収納ポケットがある。また、取り外しできるキーストラップを使えば、ユーザーは玄関でバッグの中身と格闘しないで済む。

直感的な収納性を実現

「単にポケットが多いということではありません。私たちのバッグは、使う人が何をどこに入れようかと考える間もなく、直感的に収納できる構造になっています。サングラスはここ、ノートPCはここと最初から決まっているんです」

Dagne Dover は2014年、125万ドル(約1億2,560万円)のシードファンドを調達した。今年は150万ドル(約1億5,070万円)の追加資金を調達し、来年は未公開株による資金調達を行う予定だ。そしてマッシュ自身はこの激務のさなかで母親になった。

編集=海田恭子

 

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