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経営を掌握する「社長の資質」が重要 市場との対話を通じた“経営品質”の向上に期待

今回、「CEOランキング2016」に協力してもらった投資情報提供のフィスコIR・中川博貴取締役がランキングを解説する。

企業価値の評価において「無形資産」や「非財務情報」が重要であるとの論調が高まっている。それは、財務情報から読み解ける企業価値と現実の企業価値とのあいだにズレを感じる機会が増えているからだろう。企業価値の大半は無形資産の価値で占められているという見解もある。

今回のランキングでは、企業の長期的なパフォーマンスを向上させ、結果指標である収益性だけでなく、収益を生む過程にも目を配り、経営者の資質として「ぶれない経営姿勢」と「経営を掌握する力」を「社長力」として評価した。それこそが無形資産と言われるものの1つだからだ。調査の結果、大変興味深い特徴を知ることができた。

ランキングの対象企業は「日本を動かす経営者」というテーマに合致した規模の企業でなければならず、時価総額を指標に上位100社を選出した。「社長力」の評価には、従来の財務情報にESG(環境・社会・ガバナンス)情報なども加えた独自の分析アプローチを用いた。具体的には、特定の企業(以下、A社)の潜在的な経済価値の創出力とA 社の実質的な経済価値の創出力を求め、そのギャップ(乖離の程度)を点数化し、格付けを行った。

もっと詳しく言うと、潜在的な経済価値の創出力は、A社の業種・業態の特性、過去業績、事業環境や株主構成、環境への影響度などを独自に調査して定量化した。一方、実質的な経済価値の創出力は、ステークホルダーが実質的な経済価値の創出力を把握するために必要な情報をあらかじめ規定し、この規定をもとに開示情報等を調査し定量化。これらの評価から導いたギャップ(乖離の程度)を点数化し、5 段階の格付けを実施した。

ランキング1 位の渡邉光一郎社長(第一生命保険)は総合点97.0、格付け「A」とした。同社が有する潜在的な経済価値の創出力と実態との間には乖離が少なく、高い次元で企業経営を掌握できていると評価した。具体的な成果をみると2016年3月期は保険料等収入で戦後初めて日本生命を上回り、5期連続で上場来最高の連結純利益を更新している。国内有数の生命保険会社として社会から大きな期待が寄せられるなかで、財務の健全性を保ちながら安定的に収益をあげている点からは、経営戦略の妥当性と経営者としての強い意志が感じられる。同じ業界の永野毅社長(東京海上ホールディングス)は総合点86.3点、格付け「B」となり評価に大きな差が見られた。

編集=Forbes JAPAN 編集部

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