ウォルグリーンでは既に、テレヘルス(遠隔医療)サービスを提供するMDライブ(MDLive)と提携し、スマートフォンやデスクトップ、タブレット端末経由で医師にアクセスできるサービスを提供しており、精神医療に関するサービスへのアクセスも拡大している。
こうしたなか同社は19日、皮膚科のスペシャリストとのネットワークを持つアイアグノーシス(Iagnosis)の主力商品、ダーマトロジスト・オンコール(DermatologistOnCall)サービスで提携すると発表した。
「遠隔皮膚科サービスの提供およびアイアグノーシスとの協力は、当社が既に提供している一部サービスの延長線上にあるものだ。さまざまな肌状態について、スクリーニングをしたり、場合によっては早期診断の機能を果たし得る」と、ウォルグリーンの主任医療担当官ハリー・リーダーは声明で述べた。同社によれば、オンラインでの皮膚科相談は1回当たり59ドル(約6,000円)だ。
市場調査会社I.H.S.によれば、皮膚科学は米国でバーチャル相談を行う「特殊医療」市場の一部であり、その市場は2015年の段階で推定1,550万ドル(約15億8,000万円)規模で、年に8%のペースで成長している。
米皮膚科協会によれば、米国では皮膚のがんや疾患に悩む人が1億人に達している。「遠隔皮膚科サービスは、このうち8,500万人の役に立つことができる可能性がある」と、I.H.S.の医療技術アナリスト、ルイーン・ローシャンは言う。
「遠隔皮膚科サービスは、症状についての診断を下す上で、実際に皮膚科を訪れるのとほぼ同等の効果があることが証明されている」とローシャンは指摘する。「バーチャル相談サービスにより、アクセスが拡大されるのは確実だ」
遠隔医療サービスを提供する各社は、皮膚科のサービスがビジネスに占める割合はますます大きくなっていると話す。米国最大の遠隔医療サービス会社の1つであるテラドック(Teladoc)もそうだ。同社の広報担当パティー・サリバンは次のように言っている。「2015年、皮膚科のサービスが目的でテラドックのウェブサイトを訪れた人は約2万5,000人にのぼり、2016年は2桁の成長率を予想している」