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2016.09.20

現役VCに聞く「スタートアップに投資する際のチェックリスト」

Photo by Andrey_Popov / Shutterstock.com

ベンチャーキャピタリストたちは、果たして何を基準にスタートアップへの投資を決めているのだろうか。ここではFounder-VCのマネージングディレクターで、EchoSignの創業者兼CEOでもあるジェーソン・レムキンに話を聞いてみた。

スタートアップに対する投資基準はベンチャーキャピタル(VC)によって様々だが、一部の小規模なVCを除けば、大半のファンドは将来のユニコーンやデカコーン(100億ドル以上の価値を持つスタートアップ)を探している。スタートアップを精査する上では、CEOの優秀さや市場規模の大きさ、テクノロジーの革新性といった定性的な要素も重要だが、「レイトシード」を専門とするVCである当社は、特に以下の点を重視している。
・次ラウンドでの評価額が5倍になる可能性が33%以上あること

当社が投資を検討するスタートアップの多くは、以下のような特徴を備えている。
・売上は継続的に立っているが、まだ初期のために月商は8,000ドルから100,000ドル程度に止まっている
・CEOは優秀だが、他の経営チームがいない
・少数ながら有望な初期顧客を獲得しているが、まだ製品のロゴはなく、独自の強みや魅力などの訴求力も弱い
・事業分野は一見地味で、世間からあまり注目されていない

こうした特徴に当てはまるスタートアップを発掘したとき、私は次のような取組みが実行可能か考えるようにしている。
・これからの12か月間で売上を3倍に増やす
・経営チームに優秀なメンバーを1~3人加える
・優良顧客の数を10倍に増やし、ロゴを作り、ACV (Annual Contract Value、年間契約価値)を向上する
・会社をもっと魅力的に見せる

そして「これら全てを今後18か月で実現できたとき、会社の価値は5倍に増えるだろうか」と自問自答してみる。多くの場合、答えは「YES」だ。もちろん、これだけで投資判断を下す訳ではないが、こうした思考プロセスを経ることで優秀な会社とそうでない会社を見分けられると同時に、評価額の正当性を精査することができるのだ。

編集=上田裕資

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