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2016.09.27

Farm to Table: 米国食肉産業界が目指す農の理想とは?

ネブラスカ州アダムスで農場を営むネイサン・ドーン氏 (写真=後藤秀二)


官学一体の品質管理

米国の食肉業界は「Farm to Table」のスローガンのもと、生産者・加工業者・販売会社と政府及び農業研究機関が手を携え、官学一体の品質管理とリスクマネージメントを実施している。ネイサンの一家も最新の調査結果などを随時入手し、日々の作業の改善に余念がない。大地とともに生き、先代から受け継いた知恵を駆使しながら、彼は新しい農業テクロノジーの最先端技術情報を貪欲に吸収しようとしている。

今回のインタビューに同席した全米豚肉委員会プレジデントのジャン・アーチャーは、安全管理システムの一端を披露してくれた。

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全米豚肉委員会プレジデントのジャン・アーチャー氏

「アメリカの豚肉業界では、アメリカン・ポークの飼育から加工・出荷までを一貫して管理するPork Quality Assurance Plusというシステムを採用しています。契約畜産家はこの厳格なシステムを維持していくために、売り上げの一部を担保しなければならないことになっています。その原資が食肉業界と州の大学や研究機関が連動して品質管理を進めるための費用となるのです」。

大豆の生産農家でもあるネイサンによると、大豆でも同じシステムが取られているそうだ。そして、輸出用のアメリカン・ポークは、マイナス1℃に設定されたコンテナで、日本へチルド輸送される。日本に届くまでの約2週間、低温熟成され旨みが増し、その美味しさは、ちょうど食卓に上るころにピークになるという。これが、アメリカン・ポークが日本でおいしくいただけるもうひとつの理由だ。最新テクノロジーが世代を超えて受け継がれていく農の伝統と融合している好例とも言えるだろう。

原点は家族

養豚をはじめとする米国の畜産業が今後どのように発展していくかを尋ねたとき、ネイサンはその未来図を自分の家族に引き寄せたうえで答えた。

「祖父の時代に比べると、技術の進化や迅速な情報伝達で牧場の生産性は格段に上がりました。テクノロジーの進歩というと環境の悪化というイメージがありますが、実際には生産性が上がったことで、エコで持続可能な環境を維持しやすくなっています。食肉産業の一端を担う者として私が常に目指していることは、自分の息子たちが食べる肉が本当に安全でおいしいかどうか、息子たちが成長したときにこの牧場がやりがいのある職場として維持できているかです。自分の家族が健康で幸福であれば、家族の先にある米国内外の市場や日本をはじめとする世界の消費者の方たちに高品質な品が提供できると思います」

最後にふたりが教えてくれたスロークッカーで簡単にできるアメリカン・ポークのレシピを紹介しておこう。

ジャンは醤油・蜂蜜・パルメジャンチーズ(すべて同分量)にお好みのスパイスやハーブを加えたものを、ネイサンは100%リンゴジュースを、漬液にするという。そこに肩ロース肉などの塊肉をセットし、朝仕事に出かける前にスロークッカーをオンにしていくとのこと。

また、上の写真にもあるように、塊肉はオーブンを120℃、50〜80分の設定でつくるローストポークにしても大変おいしい。そうして出来上がった料理は家族全員で食卓を囲み味わう。家族で過ごす時を何よりも大切にする、その原点に常に立ち返ろうとする真摯なアメリカの生産者の姿を目の当たりにしたひとときだった。

PR by 米国食肉輸出連合会 文=駒野谷理子 編集=高城昭夫

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