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ネブラスカ州アダムスで農場を営むネイサン・ドーン氏 (写真=後藤秀二)

米国は世界で最も豚肉を輸出している国であり、その量は現在もなお増加傾向にある。米国輸出の33.3%を占める日本(財務省貿易統計2014年)においても、過去11年間、輸入量は伸び続けてきた。米国で農業がビジネスとして成立する環境はどのように整えられているのだろうか。来日中の生産者の一人、ネイサン・ドーン氏に話を聞いた。
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米国の豚肉輸出量の増加傾向を示す年別推移グラフ
資料:Statisitics provided by USDA and compiled by USMEF, USMEFデンバー

広大な自然の中で、栄養価が高く新鮮でおいしい飼料で育てられるアメリカン・ポークは、ビタミン豊富で肉質が柔らかくとてもジューシーだ。なかでも特に、肥沃で農業に適した土壌の米国中西部の「コーンベルト地帯」で育った牛や豚は、ひときわ美味だといわれている。

その一画、ネブラスカ州アダムスに3,500エーカーの農場を構えるネイサン。父親、叔父2人、いとこ1人の5人で1,500頭の牛の世話をし、アメリカン・ポークの飼料となる大豆・コーンを自家栽培・加工販売している。自ら育てた大豆やコーンは牧場で飼育されている牛の餌として使用するほかに、他州の養豚場での需要にも応じている。

3,500エーカーといえば東京ドーム約300個分の広さ。この規模で専任従業員が家族5人というのは、ネブラスカ州ではごく平均的だとネイサンは言う。「牧場はもともと祖父が始めたものです。私の父がそれを受け継ぎ、私といとこが加わり、将来的には私の息子2人もこの土地を守る役割を担うことになる。この農場は5人の大人が忙しく働くにはちょうどよい規模です」

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牧場で 長男を抱えるネイサン・ドーン氏
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広大な農場には不可欠な灌漑設備

食生活を支える自負と責任

米国の農業専従者は全国民の2%。けっして多くはない。が、この少ない人数で農業がビジネスとして成立しているのは、米国民の中に伝統産業としての農業をリスペクトする意識が根付いているからだろう。農業技術の大半を父親から教わったというネイサンには自分が米国の健全な食卓を支えているという自負がある。

「食品の質と安全性は、私たち家族がもっとも大切にしていることです。家畜の飼料を自ら栽培することで、栄養価が高くかつ安全な食肉を市場に提供することができます。自分たちの作る食料を安心して自分の子どもたちに与えることができるかどうか、が私の判断指標なのです」

PR by 米国食肉輸出連合会 文=駒野谷理子 編集=高城昭夫

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