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2016.09.16 11:30

米銀大手ウェルズ・ファーゴでは何が起きていたのか──制裁金は終わりでなく始まり?

Joe Raedle / Getty Images

Joe Raedle / Getty Images

制裁金の支払いは大抵の場合、訴訟や調査の終わりを意味する。だが、米銀大手ウェルズ・ファーゴにとって1億8,500万ドル(約189億円)の制裁金の支払いは、同行にとっての「頭痛の種」がまかれたばかりであることを証明するものにすぎない。

ウェルズ・ファーゴは9月上旬、この問題を受けて制裁金の支払いに合意したが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は同月14日、米連邦検察当局がこの件に関して調査を開始したと報じた。

同行は多数の銀行口座を顧客に無断で開設し、クレジットカードの作成を申請していた。当局は現在のところ、こうした同行の慣行について立件が可能かどうか、可能だとすれば刑事と民事いずれの事件として扱うべきかについて、検討中だという。

WSJによれば、当局は主に同行の上級職にある人物がリテール(個人向け)業務部門の従業員らに対し、「顧客への通知やその許可を得ることなく、口座開設や商品の販売に関連した文書を偽造すること」を指示していたのかどうかという点に注目している。また、同行幹部の間にこの件に関する「故意の認識回避」があったのかどうかについても調べている。

153万超の口座を不正に開設

米消費者金融保護局(CFPB)が先ごろ行った調査によると、ウェルズ・ファーゴの従業員らは課された厳しい目標を達成するため、2011~16年の間に顧客に無断で 合計153万4,280の普通預金口座を開設。56万5,443のクレジットカード口座の開設を申請していた。

CFPBによると、こうした目標を達成した従業員らは多額のボーナスを受け取っていた。従業員らは目標達成へのプレッシャーから、こうした不正な行為を続けていたのだという。

何が起きていたのか──?

制裁金の支払いに応じても、どうやらウェルズ・ファーゴにとっての問題は全く片付いていない。

米上院銀行委員会に所属する議員らは、同行幹部を召喚して公聴会を開催する考えを表明。同委員会のメンバーである議員の一人は12日、「問題の重大さからみれば、徹底的かつ包括的な見直しを行うのが当然のことだ」と話した。
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編集 = 木内涼子

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