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Tokyo New Cinema 代表取締役。映画業界や作品について執筆。

(右から)映画『セッション』の監督・脚本家デミアン・チャゼル、出演俳優のマイルズ・テラー、J・K・シモンズ(Angela Weiss/Getty Images)

「映画の未来は明るい」と言うと業界関係者は驚くかもしれない。映画業界の関係者の多くは口を揃えて「映画は儲からない」「斜陽産業」と漏らす。

しかし本当に映画業界は衰退を迎えているのだろうか? むしろコンテンツの需要は高まり新しいビジネスモデルが必要とされているのではないか? 私は米国の大学機関から日本の映画業界に身を移したが、映画でもイノベーションが起きており、新しい未来と成長への機会が開かれているのではないかと感じている。

市場に変革が起きている

日本の映画興行収入は過去10年間ほぼ変わっていないが、世界全体のマーケットは上昇している(図1)。この成長の理由としては北米のマーケットが成長している事と新興国の市場が急成長している事がうかがえる(https://goo.gl/vek6h1)。

一方、日本の全体的な興行収入は変わっておらず、劇場で上映される映画は過去10年でほぼ倍(図2)になっている。すなわち単純計算すると1作品の収入が半分になっているのである。このグラフだけ見ていると業界関係者が悲観しているのも理解できる。

図1: 世界の興行収入(単位:1,000億円)
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図2: 国内で上映される映画作品数(本)
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ともに出典:日本映画製作者連盟(http://www.eiren.org/toukei/data.html)

しかし、ここで注目するべきは「なぜ映画作品が倍になっているか」だ。ITにおいて、技術の進化と共にコストが劇的に下がり需要も増えたように、映画媒体がフィルムからデジタルに移行した結果、10年前の10分1のコストで映画制作が可能となった。

フィルムではなくデジタルデータを使うことにより編集及び配給のコストが劇的に下がり、カメラも技術革新で200万円したものが20万円で購入できるようになった。さらに注目すべきは、そのイノベーションは機材だけではなく、業界にも起きていることである。

増える20代の成功者

映画制作の新規参入ハードルは着実に下がっており、実際にハリウッドでは20代の映画監督がヒット作品を続々と出している。例えば第87回アカデミー賞で3部門を受賞した「セッション」(原題:Whiplash)は監督・脚本のデミアン・チャゼルが29歳の時に製作された作品であり、「ロッキー」シリーズの最新作「クリード チャンプを継ぐ男」(原題: Creed)のライアン・クーグラー監督も29歳で本作品を公開、興行成績も高く批評家からも素晴らしい評価を得た。

ハリウッドでは新規参入者でも業界で輝ける結果を残せる時代になっており、今後日本でも若手が活躍する時代が訪れる事が予想される。 

文=木ノ内 煇

 

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