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2016.09.16 07:30

中国IT長者、離婚で慰謝料1千億円支払い ゲイ向けアプリ等を運営

Frame China / Shutterstock.com

世界最大級のゲイ向けデートアプリGrindrを今年初めに買収した中国のオンラインゲーム会社、崑崙(コンロン)の創業者ジョウ・ヤーフイ(39)は、前妻リー・チョン(李琼)との離婚協議で崑崙の株式2億7,800万株を譲渡することに同意した。譲渡する株式は11億ドル(約1,126億円)相当になる。

財産分与後、ジョウの崑崙株の保有率は34.5%(15億ドル相当)となる。証券取引所に提出された報告書によると、リーは2018年1月まで譲渡された株式を売却できない。崑崙の広報担当者は、離婚が事業に影響を与えることはないとコメントした。

北京の名門、清華大学を卒業したジョウはオンラインゲームの海外配信で財を成した。崑崙の昨年の売上高17億8000万元(約274億円)のうち、74%は海外で稼いだものだ。

崑崙はオンラインファイナンスとソーシャルメディアにも進出し、昨年は英P2P金融LendInvestに出資した。また、7月には、中国コンソーシアムの一社として、ノルウェーのブラウザソフト企業Operaのコンシューマー事業を6億ドル(約616億円)で買収することも決めた。コンソーシアムは当初、Opera Softwareを12億ドル(約1,232億円)で完全買収する計画だったが、米規制当局がプライバシーへの懸念を理由に横やりを入れ頓挫していた。

中国では離婚率が上昇中

中国民生部によると、中国の人口に占める離婚率は2008年には1.7%だったが、2015年には2.8%に上昇している。離婚に伴う巨額な財産分与も珍しいものではなくなった。不動産ディベロッパー龍湖地産の女性経営者ウー・ヤージュン(呉亜軍)は、2012年に離婚した元夫に27万5,000ドル(約2,825億円)を支払った。

同じ年、重機メーカー三一重工の副総裁、ユエン・ジンフア(袁金華)も、元妻に3億5,900万ドル(約369億円)を払った。

オンライン動画サイトTudou(土豆)の創業者、ワン・ウェイ(王微)は離婚が事業の失敗の契機となった。元妻が地方裁判所に株式の凍結を申し立てたことで、ナスダックへのIPO申請は2011年に延期された。ワンはその後、700万ドル(約7億円)の財産分与に応じたが、ライバルのYouku(优酷)は2010年後半に米投資会社からの出資を受け入れて成長を加速し、Tudouよりも先に上場を果たした。Tudouは最終的に、2012年にYoukuに買収され、今はEC大手アリババの傘下にある。

編集=上田裕資

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