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「モノには魂が宿っていると思うことってありますよね。だから、私たちはモノを捨てることにはすごく罪悪感があるんです。でも、リユースという仕組みによって、自分の家ではすでに役目を終えたものであっても、ほかの誰かが大切に使い継いでくれる。つまり、家具を処分することへの罪悪感や抵抗感が解消されて、生活の変化に応じた住まいづくりが容易になります。そして、家具を買う人にとっては、高品質の家具を低予算で手に入れられる。さらに資源の枯渇や廃棄物の問題も解決できるし、職人の雇用確保と技術の継承にもプラスの面があります。どこをどう切りとってみても利点ばかりなので、ぜひこのシステムを普及させたいなと思っているわけです」

それにしても、なぜ、リユースという発想に行き着いたのだろう。会見後、個別に時間をもらい、尋ねてみた。

「伊勢神宮では20年に一度社殿を建て替えますよね。でも、それによって出る古材は、全て別の神社で使われる。つまり、もともと日本の社会には再利用していく仕組みが出来ているんです。私は、そういった日本古来の伝統的な価値観や考え方が、いま再び見直されてきているんじゃないかと思います」

インタビューの最後、本誌読者に向けて大塚から熱いメッセージを託された。

「人間にとって何より大事なのは、“幸せを求める”“豊かに生きる”“より良く生きる”ということ。ファスト・ファニチャーの使い捨て文化ではない、新しいリユース家具の文化を醸成することが、そのためのひとつの選択肢になると思うんです。このリユースによって、若い世代も、これまでは手の届かなかった質の高い家具に触れ、感性を磨けるようになります。また、良質な家具の買い替えをしやすくすることで、リユース品だけではなく、新品の家具の需要も高まり、家具市場の活性化にもつながります。そのためにも、Forbes JAPANの読者の方々には、ライフステージの変化に応じて、買い替えを検討している家具や使わなくなった家具などがあれば、思い切って手放してほしいですね。そうすれば、より多くの方に豊かな生活文化を知ってもらえる。それが世の中のためになりますので」

大塚が同社の代表取締役社長に復帰して約1年半。「ソリューションカンパニーとなる」ことを信念として、時流を捉えた新たな戦略で業界をけん引する新生・大塚家具から、今後も目が離せそうもない。

編集=高城昭夫 文=渡邊玲子 写真=吉見知朗

twitterライフステージデル大塚家具マツダ

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