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2016.09.20

人とモノと情報が集まる国で、「日本の食」の可能性を拓く

西田滋直◎1973年生まれ。2011年に株式会社「おいしいJapan」を設立。現地法人「オージェイ・イベンツ」の代表も務める。

昨年10月のこと。シンガポールで「日本の食」に特化した見本市を主催する「オージェイ・イベンツ」の西田滋直は、ある光景を目にし、驚きを隠さずにはいられなかった。

冷凍餃子を手掛ける日本の企業が開発した「サーモン餃子」に人々が殺到している――。

「シンガポールの家庭の多くは、手作り餃子を食べるので、わざわざ日本の冷凍食品を買うかな? と思っていたのですが。まさか、ここまで人気がでるとは」

よくよく考えてみると、理由ははっきりしている。シンガポールの人々は、魚を使った料理を日常的に口にする。なかでも、サーモンの寿司は大人気。畜肉を使っていないので、イスラム教徒の人々も口にしやすい。

実は、この日本企業は前年も出店し、マーケットを分析したうえで、新商品として「サーモン餃子」を開発した。見本市を機に現地でパートナーを見つけ、今年2月からは毎月22万個もの冷凍餃子を輸出している。西田は言う。

「思いもよらないものが現地で受け入れられる、ということがある。日本の外に出たことでしか見えない景色というものがあるんです」

きっかけは、東日本大震災

国際見本市の日本ブースは決して珍しいものではないけれど、「日本の食」を切り口にした見本市は世界でも類を見ない。出店するのは、40都道府県以上、約300の日本企業。生鮮食品や加工食品に留まらず、日本の伝統的な器から業務用の機械までが一堂に会す。

街の中心地にあるサンテック・シンガポール国際会議展示場を会場に、今年で5回目を迎える(イベント名は今年から「Food Japan」に)。

それにしても、なぜシンガポールで見本市を?

きっかけは、2009年末。日本国内で、外食系の見本市の運営に携わっていた西田は、ある日、シンガポール政府観光局のスタッフから現地でも見本市をやってみないか? と声を掛けられる。

覚悟を決めた背景には、11年に起こった東日本大震災があった。「近しい人が陸前高田にいたこともあり、自分に問いかけたんです。『自分は何をやりたいんだろう、本当はどうしたいんだろう』って」。問い続けるうちに、「こういう状況だからこそ、チャレンジしてみたい」という自分なりの答えが見えてきた。

「この見本市を日本の食の“復活祭”にしたい」

そんな気持ちで、まずは日本で株式会社「おいしいJapan」を設立した。すべて一からのスタート。「こんな状況で、なぜ海外でイベントを?」と怪訝な顔をされることも少なくなかった。それでも、「新しいところに出て、新しいビジネスチャンスを掴む必要がある」と訴え続けた。

改めて目の当たりにした「物流の国」

その頃のシンガポール政府の対応は目を見張るものがあった、と西田は振り返る。震災後、各国が日本の食品の輸入を停止するなか、シンガポールはASEANのなかでいち早く解除に踏み切った。感情論に押し流されそうになる国も少なくないなか、レポートやデータを基軸に判断を下していく。

「物流」という観点からも、シンガポールは圧倒的に効率が良い、と西田は言う。「このモノは輸出できるか、シンガポールに入れられるか」といったことが、きっちりと明文化されている。揺るぎないルールがある。だからこそ、スムースな物流が実現できる。

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見本市を初めて開催した当初は、日本食レストランやリテールの関係者が多かったが、いまでは非日系の来場者も多く目にするようになってきた。「日本食」としてのアプローチだけでなく、日本の素材をいかに現地の多様なレストランに取り入れて貰うか。そんなところにも力を注ぐ。

そういえば、現地での取材中、「ユズの月餅」や「わさびのアイオリソース」といったものが、声高に主張することなく、自然にメニューに並んでいたのが印象的だった。“新しいもの”に対して、とことんポジティブな空気を感じる。西田は言う。

「シンガポールに出ようとする企業と現地の“距離”を縮めるのが、見本市のコンセプト。すべて提案の仕方次第。どんなものにもチャンスはあると思うんです」
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PR by シンガポール政府観光局 編集=古谷ゆう子 写真=原 隆夫/ Luxpho、カールトン ホテル シンガポール提供(Café Mosaic)

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