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2016.09.14 07:00

ギャラクシーノート7爆発問題、大混乱の交換プログラムに各国で不満続出

Carsten Koall / gettyimages

Carsten Koall / gettyimages

爆発事故が相次いだサムスン電子のスマートフォン最新機種「ギャラクシーノート7」の回収・交換プログラムについて、米国やアジア各国で購入者からの不満が噴出している。

筆者は当初、問題があるのはアジア諸国での対応のみだと思っていた。というのも、米国では大手キャリアなどが即座に交換プログラムの詳細を発表したのに対し、香港やシンガポールでは対応が遅れたのみならず、サムスンの現地支社が不正確な情報を発信する失態まで犯していたからだ。

サムスン本社が全世界でのギャラクシーノート7の販売中止と回収を発表した当日、香港のサムスン店舗は依然としてこの端末を販売し続けていた。サムスン香港支社は同日午後10時にようやくフェイスブック上で声明を発表したが、そこには香港で販売されている端末はバッテリーのサプライヤーが異なるため問題はないと書かれていた。

だがそれはとんだ間違いだった。サムスン香港支社は翌日、再びフェイスブックへの投稿で、香港で販売された500台に欠陥バッテリーが搭載されていたと発表。その後、ユーザーが所有端末の識別番号を基に自分の端末が回収対象かどうかを検索できるウェブサイトを公開した。だが、この検索サービスが香港のユーザーのみを対象としていることを明示しなかったことから、サイトへのリンクが他の地域にも拡散。米国や英国のユーザーが、そもそも自分の端末が含まれていないデータベースで所有端末を検索する事態となり、大きな混乱を招いた。

だがこうした混乱は、アジアだけではなかった。読者から寄せられた多数の情報によると、米国では大手キャリアのベライゾンもまた、交換中の代替機貸出サービスを用意しなかった上に、誤った情報を次々と発信したのだという。

しかし世界中で発せられている苦情の数々をみるに、最大の問題は、サムスンが返品・交換手続きを国ごとに行っていることにある。シンガポールで買ったギャラクシーノート7をロンドンで使っているユーザーは、英国での交換サービスは受けられない。米国の端末を香港に持ち込んだり、台湾の端末をマレーシアで使っていたりした場合も同様だ。
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編集=遠藤宗生

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