だが、米国内をはじめ各地に店舗を展開する鉄板焼きレストラン「ベニハナ(Bnihana)」は先ごろ、新たな出店計画を発表した。
地元紙クレインズ・シカゴ・ビジネスによると、ベニハナはシカゴのゴールド・コースト地区にある同市のランドマーク、ジョン・ハンコック・センターに新店舗を開業する。100階建てのハンコック・タワーは1階部分の改装を計画しており、ベニハナは同フロアの約836平方メートルを借りて、新たに店を構える計画。オープン予定は2017年秋だという。
レストラン不況の懸念も
ベニハナよりも後に開業したレストラン・チェーンの中にはこのところ、苦境に陥っているものもある。飲食業界の不況が懸念される中、今年7月にはファミリーレストラン・チェーンのルビー・チューズデー(Ruby Tuesday)がイリノイ州内の11店舗を閉鎖。ミシシッピ州ではチリーズ(Chilis)の2店舗が閉店した。
また、複数の店舗で起きた集団食中毒の影響を払い去ることができずにいるメキシコ料理チェーンのチポトレは、アクティビスト(物言う株主)として知られるビル・アックマンからの12億ドル(約1,229億円)の投資が頼りだ。
シカゴへは再進出
ベニバナのような古参の企業が、この時期に事業の拡大を発表したことは大きな注目を集めている。ベニハナの創業者である青木廣彰(通称ロッキー)にとってシカゴは、1964年に初出店し、2号店も構えたニューヨーク以外で初めて店舗を開設した都市。しかし、シカゴ店は所在地でのホテル建設計画に伴い、2007年に閉店していた。
開業以来、各地に店舗を展開してきたベニハナは数十年にわたり、カウンターの奥で料理人らが見せるナイフさばきにより、来店客たちを感嘆させてきた。2012年にはニューヨークを拠点とする資産運用会社アンジェロ・ゴードンに買収され、非公開会社となったが、その後も店舗網を拡大。同社ウェブサイトによれば、現在は「ベニハナ」66店舗などに加え、スシ・チェーンの「ハル」7店と「ラー(RA)」27店を運営している。
より健康的なメニューを好む人やレストランで使用される食材について知りたいと考える客の増加は、オープンキッチンを採用しているベニハナにとって、好機といえるだろう。