米予防医学会誌「American Journal of Preventive Medicine(米予防医学ジャーナル)」の最新号に掲載された新たな調査結果によると、砂糖入り飲料に対する10代の若者たちの態度には、公衆衛生の専門家らが勧める「購入時点での(消費者)教育」と「警告ラベル」が大きな影響を及ぼす可能性があることが分かった。
砂糖入り飲料に警告ラベルを貼付する方針の下では、大半の商品の容器に「安全に関する警告:砂糖が添加された飲料の摂取は肥満や糖尿病、虫歯などの原因になる」などの文言を入れることが提案されている。
現在のところ、こうしたラベル貼付が提案されているのは、カリフォルニア、ボルティモア、ニューヨークの3州。サンフランシスコ市はすでに昨年、砂糖入り飲料の印刷広告やポスター、屋外の広告掲示板にはこうした警告を掲載することとした条例を可決。同条例は今年7月に発効した。
ラベルは若者に大きな影響
インターネットを通じたアンケート形式により2,000人以上を対象に行った調査の結果、10代の若者の中でも特に12~18歳の人たちの間では、警告ラベルが添付されていた場合、砂糖入り飲料を選ぶ割合が(統計上有意な)8~16%減少することが分かった。この調査では、回答者の62%が警告ラベルの貼付を支持すると答えている。
また、研究者らは砂糖入り飲料に添付される警告ラベルについて、健康上のリスクと砂糖入り飲料の関連性に関する10代若者たちの理解促進に役立ったと指摘している。
調査結果をまとめたペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院の医療倫理・保健政策学部の教授らによると、「米国の10代の若者たちは平均で、少なくとも1日1本の砂糖入り飲料を摂取している。この量には、1日当たりに推奨される砂糖の摂取量の2倍以上が含まれている」という。
「米国民は驚くほどの量の砂糖を摂取している。これは、肥満や2型糖尿病、その他の危険かつ治療費の高い病気を引き起こす大きな原因となっている」
砂糖入り飲料の摂取は、心疾患や虫歯リスクの増加にも関わっている。砂糖入り飲料を毎日1本飲む子どもが過体重または肥満になるリスクは、55%高まる。さらに、1日当たり1~2本飲む人が2型糖尿病を発症する危険性は、26%上昇する。
非営利団体(NPO)公益科学センターは、「環境有害物質との接触を最低限に抑えること、食中毒などの防止を目的に衛生状態の向上を図ること、たばこ製品の消費量を削減することなどにおいては、公衆衛生問題への介入の方法として伝統的に、こうした(警告文の貼付などの)手法が用いられてきた」と指摘。「炭酸飲料水に関連する病気との戦いにおいても、こうした手段を講じるべき時だ」と述べている。
過去の調査結果からは、親たちは警告ラベルが貼付されていた場合、砂糖入り飲料を子どもに買い与えるのを控える傾向があることが分かっている。