ビジネス

2016.09.09

ストリーミングの有料会員数、世界1億人を突破

GongTo / Shutterstock.com

9月7日の新製品発表会でアップルは、同社のストリーミングサービスの加入者が1,700万人を超えたと発表した。サービス開始から約1年でこの数字だ。アップルミュージックは今や有料会員数の面で、世界最大のサービスの一つとなった。

このニュースはアップルのみならず音楽業界全体にとって良い報せと言える。ストリーミングの分野では大小様々なサービスがしのぎを削り、Digital Music Newsの報道によると世界で1億人以上の有料会員を獲得しているという。この分野は拡大の一途をたどっているのだ。

つい先日は、スポティファイが新たに幹部に招き入れた元レディー・ガガのマネージャー、トロイ・カーターが「有料会員数が3900万人に達した」と発表した。スポティファイのCEOが3000万人突破を宣言したのが今年3月のこと。それからわずか数ヶ月でこの急増ぶりだ。

スポティファイは衛星ラジオのストリーミングサービスのシリウスXMが、数年かけて集めた会員数をわずかな期間でかき集めた。これに加え、TidalやNapster(Rhapsodyから名称変更)、Deezerといった企業がこの分野にはひしめいている。

実際のところストリーミングの有料会員数は1億人を超えているのが実情だ。YouTubeやサウンドクラウドといった企業は会員数を明かしていないため、これを加えれば会員数はさらに膨大に膨れ上がることになる。

スポティファイの場合は無料会員も含めると単独でユーザー数は1億人を超えており、有料会員はそのうちの30~40%。無料の会員をいかにして有料に移行させるかが今後のビジネスの鍵となっている。

有料会員が1億人居るという事実は、人々の音楽の聴き方が変わったことを示している。ストリーミング産業の隆盛は音楽で生計を立てる人々にもメリットをもたらすだろう。業界が成長するのに合わせ、ますます多くの人々が毎月のサブスクリプション費用を音楽の聴取に支払うことになる。

1億人というマイルストーンが達成された今、ストリーミング業界は今後さらなる成長が期待されている。無料会員を含めた全体の利用者数が伸びるにつれ、有料会員に移行する比率も高まることが想定される。今後しばらくの間、この分野の成長は続きそうだ。

編集=上田裕資

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