コワーキング・スペース人気の高まりが示す「近くに人がいること」の価値

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また、コワーキング・スペースの最大の魅力は、その雰囲気の緊迫感にある。迅速に仕事をこなし目標を達成している賢い人々に囲まれていると、自分も何かを成し遂げようという意欲が大幅に高まる。だからビジネスのスピードも上がるのだ。

一方でソフトな効果もある。互いに近い場所で働いていると、経験を共有し、一緒にかなりの時間を過ごした者だけがつくり出すことのできる、コミュニティー(共同体)意識が生まれるのだ。多くのフリーランサーは、自宅やカフェで仕事をするのを寂しいと感じ、すぐに社会的交流を切実に求めるようになる。

テクノロジーのように実務的な色合いの濃い分野で働く人々さえもが、こうしたソフトな側面を持つコワーキング・スペースを好んでいる。自分がコミュニティーの一員であると感じることができるし、信用している人に囲まれて仕事ができる場所だからだ。

緊密なコミュニティーはネットワークづくりを可能にしてくれるため、この“信用”はきわめて有益だ。自分が信用している人々が、彼らが信用している人々を自分に紹介してくれる、という交流が始まると、1人との関係が有益な人脈へと成長を遂げ得るのだ。

在宅勤務や労働力の分散は確実に、未来の働き方の大きな部分を占めることになる。だが物理的な距離の近さが、あなたの仕事のアウトプットや、他人とつながっているのだという感覚にもたらす価値を軽視してはならない。コワーキング・スペースの人気には、もっともな理由があるのだ。

編集=森 美歩

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