それでもウッドの顧客たちは、散歩にもランニングにも行くことができ、ビーチでヨガもできるウェアを待ち望んでいた。そうした中、ウッドは今年3月、ジカ熱を媒介する可能性がある蚊を寄せ付けない化学添加剤を使い、衣類に加工を施してくれるノースカロライナ州のある企業と出会ったのだ。
ノビテックの効果
「ノビテック」はペルメトリンという合成殺虫剤を浸透させた生地「スキンテックス(Skintex) MRIII」を使用している。スキンテックスの分子構造は、古くから防虫効果が知られている菊の花と茎葉を乾燥させた「除虫菊」によく似ている。
ノビテックのウェアを着れば、散歩やランニングに出かける前に大量の防虫剤を体中に吹き付ける必要もない。ペルメトリンは、ダニ、ノミ、スナノミ、ハエのほか、西ナイル熱ウイルスやマラリア・ウイルス、デング熱ウイルスを媒介する蚊、ライム病を媒介するダニにも効果がある。米環境保護局(EPA)が唯一、衣類に使用することを認めている合成殺虫剤だ。
ウッドはノビテックの今後の可能性について、フィットネスウェアにとどまるものではないと考えている。リゾートウェアやレジャー用の衣類などにデザインを広げることを検討しているほか、軍や国際援助団体との提携も模索している。