死亡事故発生でも続くテスラの挑戦 自動運転距離は累計3億キロを突破

Spencer Platt / gettyimages

テスラは素晴らしい会社だ。電気自動車の世界を変革し、今や運転そのもののあり方を大きく変えようとしている。また、同社は、偉大な発明をするためには、失敗を乗り越えて改良を重ねることが重要であることも熟知している。

テスラが自動運転機能を搭載した「モデルS」をリリースして間もなく、オートパイロット・モードで走行中のドライバーが死亡事故を起こした。その直後に2件目の事故が発生したが、この時はドライバーの危険走行が原因だった。このドライバーは、再びテスラを購入したいと述べている。

テスラはこれらの事故原因を分析し、オートパイロット機能の改良に取り組んでいる。グーグルやフォードなど多くの競合企業は人力に全く依存しない100%自動運転の車両を開発中だが、自分で運転を楽しみたいドライバーも少なくない。テスラは、基本は自分で運転をし、高速道路を走行中に仮眠をとったり、渋滞中に新聞を読みたいと考えるドライバーのためにオートパイロット機能にこだわり続けている。

これまでにテスラのユーザーがオートパイロット機能を使って走行した距離は合計2億マイル(約3億2,000km)を超えた。安全性を確認するには十分なデータ量とは言えないが、テスラを批判する者も称賛する者もこのデータを用いている。

現状のオートパイロット機能では、ドライバーによる操縦が必要と判断した場合にメッセージが表示されるが、ドライバーが警告を無視するとオートパイロット・モードでの走行が継続されるように設計されている。しかし、最新のソフトウェアアップデートでは、この点に大きな修正が行われるようだ。電気自動車の情報サイト「Electrek」によると、ドライバーが警告を長時間無視し続けるとオートパイロット機能が解除され、再開するには一度駐車をしてギアをパーキングに入れる必要があるという。このアップデートの意図は、ドライバーがステアリングを握っていようといまいと、走行中は運転状況に注意を払わせることであることは明らかだ。
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編集=上田裕資

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