9月6日公表されたeMarketerの資料はスナップチャットが2017年に9億3,550万ドルの広告売上を生み出すと予測した。この売上が実現すれば、フェイスブックやインスタグラムを追撃する新興企業スナップチャットにとって大きな前進となる。
1億5,000万人のデイリーアクティブユーザーを抱えるスナップチャットは、広告事業を2015年の半ばに始動した。同社は広告枠をDiscoverやStoriesといった枠で販売するほか、有料のジオフィルターやレンズも提供中だ。
対するフェイスブック傘下のインスタグラムは5億人のユーザーを抱え、今年の広告売上はグローバルで15億ドル。2017には28億ドルに成長するとeMarketerは予測している。
「広告主らはスナップチャットがミレニアル世代やジェネレーションZ世代に広範囲なリーチを持つことを魅力に感じている。これらの世代へのリーチは多様くの業種にとって非常に重要だ」とeMarketerの担当者は分析する。
「従来はアプローチが難しかったこれらのセグメントに対し、スナップチャットは動画広告やスポンサーつきのジオフィルターやレンズといったメニューを拡大し、接近している」
スナップチャットの売上の95%は米国が占めている。しかし、英国などの海外の比率も増加し、2018年までにこの割合は75%に低下するとeMarketerは予測する。
スナップチャットのDiscoverセクションはCNNや iHeart Radio、コスモポリタン等十数のメディアと提携し、記事や動画を配信。米国での売上のほぼ半分を稼ぎ出している。eMarketerの予測ではイベント等の写真や動画クリップをキュレーションするStoriesセクションが来年は急伸し、Discoverセクションの売上を追い抜くという。スナップチャットのソーシャルメディア広告市場でのシェアは現在2.3%と見られている。
スナップチャットは今年5月の資金調達の際に、企業価値180億ドルと算定された。eMarketerは今回のスナップチャットの業績予測にあたり、広告企業幹部や、大手ブランドやメディアのパブリッシャーへのインタビューを行ない、類似したSNSのマネタイゼーションのトレンドも参考にしたとしている。