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2016.09.15 10:00

「治験の覚悟」を持って製薬ビジネスに挑む、ベンチャー投資革命家

ロバート・ネルセン ARCHベンチャー・パートナーズ共同創業者(写真=リック・ダムズ)

べンチャー投資家のロバート・ネルセン(53)は昼になると、治験段階にある薬やビタミンの錠剤やカプセルを試し飲みする。「寿命を延ばすため」だという。

「製薬ビジネスにいたいのなら、自ら治験の覚悟くらい必要だよ」

ネルセンは、データがそろう前であっても、「これは」と思った新興の製薬会社には独自の調査と勘に従って投資してきた。その額は、18億ドル(約1,890億円)に上る。

2007年には、47%のリターンを達成。投資先のうち24社がIPO(株式公開)を果たしており、16社が数十億ドルの評価を受けている。

目下、ネルセンにとって最大の関心事。それは「延命」である。

今年の2月、英科学誌ネイチャーに、「人の老化は細胞の劣化で進む」という論文が掲載された。劣化した細胞を取り除くことで老化を遅らせられるー。そう考えるネルセンは、製薬会社ユニティ・バイオテクノロジーを通じて、同じ効果が期待できる薬を開発中だ。

「製薬業界は金がかかる。大きく勝負しないと、成功できないよ」

ロバート・ネルセン◎製薬会社への投資を専門とするARCHベンチャー・パートナーズの共同創業者。経鼻インフルエンザ・ワクチンを開発したアビロンや、DNA解析企業イルミナなどに出資した辣腕投資家として、フォーブスの「ミダス・リスト」にも名を連ねる。「研究者に警戒されたくない」と、Tシャツにジーンズ、ブーツが定番の格好。

この記事は 「Forbes JAPAN No.26 2016年9月号(2016/07/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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