キャリア・教育

2016.09.03 18:00

人事が嫌われる10の理由

Taylor Callery / gettyimages

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私が初めて人事担当者の職に就いたのは1984年。休暇明けに上司から突然、「君は今日から人事部長だ」と告げられた。
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それまで率いてきたカスタマーサービス部門を去るのは悲しかった。というのも、人事担当者になれば、これまでのように顧客や営業担当者と話すことができなくなると思ったからだ。

だが幸いにも、私は素晴らしい上司に恵まれた。「話したい人とは誰でも話しなさい」と背中を押してくれた彼は、人事部について大きなビジョンを抱いていた。「人事部の目的は、この会社を素晴らしい場所にして、誰もばかげた真似をしないように計らうことだ」。私はこのビジョンを気に入り、それを達成するために精一杯働いた。

私は当時、世間の常識を知らなかった。人事部長として過ごした長年の間、人事という仕事が大半の人から嫌われるものだという事実を気付かなかったのだ。私は自分の役割が、職場の「お母さん」であり、社員がのびのびと羽ばたけるように妖精の粉を振りまくことだと思っていた。だが、世間では多くの人事担当者がその役割を禁じられていることには気付いていなかった。
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多くの企業にとって、人事の役割は裁判沙汰を避けることにある。人事の使命は、会社が自社の社員から訴えられることを防ぐことにあるのだ。なんと悲しく憂鬱な任務だろうか。

あなたの会社では、管理職会議で最高財務責任者(CFO)が立ち上がり「先月は良い月でした。顧客からも販売業者からも一度も訴えられずに終えることができました」と報告することがあるだろうか? もちろんないだろう。顧客や販売業者との裁判沙汰は、よほどひどい対応をしたり、起きえないようなことが起きたりしない限り、回避可能だ。たとえ訴えられるとしても、事前に十分な警告がある。

これは、人事でも全く同じだ。だが、企業の上層部や人事担当者は、会社を訴える機会を虎視眈々と狙う社員があらゆる部署にいるとの幻想を抱き、神経をとがらせている。

一方の私は、人事職に就いている間、自社の社員から訴えられることを心配したことは一度もない。社員は皆、充実した時間を過ごし、仲間を訴えるなどという考えは浮かばなかった。不満を抱えている社員がいれば、上司や同僚、人事部がそれを聞きつけ、解決策を話し合い、問題を乗り越えることができた。
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