エンジェル投資家の瀧本哲史は01年に投資を行い、06年3月より社外取締役に就任にした。
武田:インターネットの本質は「双方向」の「ネットワーク」。なので「消費者コミュニティ」を事業ドメインとしました。コミュニティを活性化する技術開発に10年、それをマーケティングに活用するためのソリューション開発にも同様の時間をかけ、現在のサービス「QON(Quality Of Network、クオン)」に至りました。前例のない研究テーマだったので、生きているうちに実現できないかもと思っていました(笑)。創業20年を迎えた今年、複数の特許も取得し、研究所の役割を終え、新社名で第二創業のスタートを切ることにしました。
瀧本:武田さんは、ビジョナリーな起業家の典型。たとえば「消費者の行動データをマイニングして、そこからパターンを見つけ出し、マーケティングに活用する」という、ビッグデータの発想を00年ごろにすでにもっていた。彼の構想に、市場とテクノロジーが追いついたと見るべきでしょう。これも誰も相手にしなかった「コミュニティ」をしつこくやり続けた結果だと思います。
武田:営業も経理も経営も、始めたときはすべて素人でした。財務諸表の読み方もろくに知らず、瀧本さんに「株式会社ってなに?」とか「会社はなぜ拡張しなければならないの?」とか、とにかく納得したかったので、たくさんの質問をさせていただきました。瀧本さんはどんなときも呆れずに付き合ってくれて、「株式会社の発端はオランダの東インド会社で、船の上でパンを分け合うという意味が『カンパーニャ』の語源だ」とか…。僕にとっては、株主であると同時に”経営の先生”なんですね。