医師たちの元には、患者から電子たばこについての質問が数多く寄せられている。そして新たな研究によれば、それに対する回答は医師によって大きく異なる。
スタンフォード大学医科大学院の研究チームの調査で、2011年7月から2015年6月の間に、医師と患者の間で交わされたオンラインのやりとり500件以上を分析した。すると、この4年間で電子たばこに関連した質問の割合が増加したことが分かった。
研究チームは、患者が医師に尋ねた質問を再調査し、共通のテーマを集めた。一部の患者は、プログラムのインターフェイス上にあるボタンをクリックして、医師が回答してくれたことに対し感謝の気持ちを示した。研究の所見と詳細については、学術誌アメリカ予防医学ジャーナル(American Journal of Preventive Medicine)に掲載されている。
質問には単純なものもあれば、もう少し個人的なものもあった。全体のうち34%の質問は、電子たばこの具体的な副作用や害に関するものだった。27%は一般的な安全性について、19%は禁煙補助としての使用についての質問だった。質問をしたのは患者の方だったが、医師たちも独自の問題提起をした。
患者とのやりとりの中で、医師たちは、電子たばこについてはさらなる研究が必要であること、そして従来のたばこに比べて電子たばこの方が比較的安全であることを認めた。彼らはまた、喫煙者のニコチン中毒について、深刻な懸念を表明した。
医師たちの回答の全体的なトーンには、ばらつきがあった。研究チームは、質問に回答した医師の47%について、電子たばこに否定的だと判断。20%の回答は、肯定的なものだったと見なした(たとえば電子たばこを禁煙補助として使用することを奨励するなど)。また45%の医師は、禁煙のための道具として使える可能性があるとして電子たばこを推奨した。
電子たばこについて、肯定的なメッセージを受け取った患者の方が、そうではない患者に比べて、回答を寄せた医師に感謝する傾向が強かった。研究チームでは、今後の研究によって、医師たちが個々の患者に合わせて、電子たばこについてのメッセージをどのように調整すべきかを検証する必要があると指摘している。