一方で、インスタグラム上での人気を利用して数百万ドル単位の収入を得たケンダル・ジェンナーやジジ・ハディットが、それぞれ3位と5位に浮上。ファッション界のエリートにとって、SNSでのフォロワー数がついに強固な経済基盤になったことが示された。
35歳のジゼルは2002年以降、他のどのモデルよりも多くの収入を得ている。香水や美容関連の大口契約をシャネル、キャロライナ・ヘレラ、パンテーンの各社と結んでいる他、靴メーカーのアレッツォやテレビ局スカイといった母国ブラジルの企業の広告塔も務めている。またモデル業以外でも、ランジェリーやスキンケアのオリジナルブランドを展開し、複数の収入源を確保している。
2位は同じくブラジル出身のアドリアナ・リマ(1,050万ドル)。ジゼルとの年収の差は2,000万ドルに及ぶものの、人気下着ブランドのヴィクトリアズ・シークレットや、化粧品大手のメイベリン、高級時計メーカーのインターナショナル・ウォッチ・カンパニー(IWC)などとの契約により、今年の年収は自己最高額を記録した。
アドリアナはヴィクトリアズ・シークレットの「エンジェル」と呼ばれる特別広告塔を同ブランド史上最も長く務めている。今年のランキングでは全体の3割が同ブランドでエンジェルとして活躍しているモデルだった。
今年ランク入りしたモデル20人が2015年6月1日~16年6月1日の1年間で稼いだ合計金額は1億5,400万ドル(約158億円)、インスタグラムでのフォロワー数は合計2億人近くに達している。
前年から増収幅が最も大きかったのは3位のケンダル・ジェンナーで、今年の年収は前年比2.5倍の1,000万ドルだった。インスタグラムでフォロワー数がランキング内最高の6,440万人に上るケンダルは、SNS上での莫大な影響力を利用し、エスティローダーやカルバン・クラインと巨額契約を結んだ。
ケンダルが所属する事務所ソサイエティ・マネジメントのジェネラルマネジャー、クリス・ゲイはこう語る。「モデル業界は変わった。モデルたちは以前よりずっと大きな影響力を持つようになってきている。広告の顔としてだけではなく、それを広める強力な手段、メディアのパイプ役となっているからだ」
3位タイにつけたカーリー・クロスは、ランク入りしたモデルの中で最も多くのブランドと広告契約を結び、年収を2015年から倍増させた。契約を交わしたブランドは18社で、米アパレル販売のエクスプレスや、ロレアル、スワロフスキーなどが名を連ねている。