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2016.09.01

生涯収入を死に金に変えるマイホームという悪夢[不動産で資産運用 第4回]

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3. 動かす事ができない

シリコンバレーで一緒に学んだビジネスエリートたちは通勤時間の短縮を常に考えているので、賃貸でいいからできるだけ勤務先の近くに住もうとします。誰でも同じ考えだと思いますが、できれば通勤時間が短いほうが仕事上有利です。

しかし、マイホームを購入する場合、予算と通勤距時間を天秤にかけてどこか妥協して購入を決定します。私も過去にマイホームを購入しましたが、仕事やライフスタイルに合わなくなって売却しました(もちろん生き金にしましたが)。

また、不動産には相場があるので、年齢や収入等、自分にとって買いたい時期が、相場として良い時期とは限りません。高値時に購入してしまうと将来損をする可能性が高くなります。

もう一つ、マイホームは、自分の将来にある程度制限を作ってしまう場合があります。たとえば、子供の学校を通学距離から選ぶ。勤務先を通勤距離から考える。自宅の車庫のサイズに合わせて車種を選ぶなど、自宅という不動産が選択肢を減らしてしまうのです。

あなたが今日からできること

自分のお金を死に金にさせない方法として、同じ借金をするなら、お金を生む収益不動産を購入して、その利益で自分の好きなところに自宅を借りる方が将来的にも合理的だと考える人たちがいます。

マイホームは購入したら動かせませんが、この方法なら勤務先が変わっても引っ越しできます。収益不動産なら、間取りやデザインなど、購入者の趣味志向ではなく、収益性と物件評価を基準とした適正価格で将来売却が可能です。

これからマイホームを購入する人は、収益物件での収益性と賃貸価格を比較してみると良いでしょう。すでに購入済みの人は売る、売らないに関わらず、年に一回くらいは自宅の無料査定を依頼して価格調査をしてみましょう。また、収益物件の勉強をはじめてみるのも良いと思います。

他の不動産を検討することで視野が広がり、なにかぼんやりしてシンボリックだったマイホームが数値化され、不動産という“資産の一つ”として見ることができるようになります。そして、自分の生涯収入と資産形成、そして老後までフォーカスが合うようになります。

そうすることで、自分の将来にフォーカスが合うことで、死に金が生き金に変わって、将来のあなたの元へお金が戻ってくるイメージを描くことができるようになるのです。


文=黒木陽斗

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