ビジネス

2016.08.29

アレルギー薬価を8年で400%つり上げのマイラン、CEO報酬は671%増

自己注射薬 エピペン(Photo Illustration by Joe Raedle/Getty Images)


同大学の理事会は、ブレシュの「長年の友人で仕事関係者」でもあるというマイケル・ガリソン学長の関与について追及。学長は不信任案を提出され、投票の結果、辞任に追い込まれた。

この他、米紙ロサンゼルス・タイムズは、マイランが税率の低い別の国の同業の企業を買収し、本社をその国に移転する税逃れ行為、「インバージョン」を行っていたと報じている。

マイランが直面する問題

マイランに問題があることは明らかだ。アレルギーがある子どもの命を救うための薬代に苦しんでいる数多くの親たちの背後で、価格を大幅につり上げてきたのだ。米社会では、製薬会社は強欲さと利益獲得のためだけに行動しているともみられており、そうした見方をされていることで、各社はすでに多くの問題を抱えている。

マイランに関する一連の報道を受けて、エピネフリンの注射に頼らざるを得ない親たちをはじめ、多くの人たちが怒りをあらわにしている。こうした親の一人が非営利団体「ムーブオン(MoveOn)」のサイトで嘆願書を作成、署名集めを始めたところ、すでに4万人を超える人たちが支持を表明した。

さらに、多くの人たちがすでに指摘しているとおり、エピペンと同じ製品は米国以外の国では、100ドル以下で入手が可能だ。あるツイッターへの投稿によれば、いくつかのタイプのエピペンはカナダの店からネット通販で、50~118ドル(約5,000~1万2,000円)で購入することができる。

マイランの問題について記者は少し前、「価格をつり上げたのはただそれが可能だったからだ」と伝えた。だが、可能だからといって値上げをすべきということにはならない。米上院司法委員会はこの一件について、すでに調査開始に向けて動き出している。

編集=木内涼子

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