レスラー出身のジョンソンの年収は昨年の倍以上。そのうちの多くは「セントラル・インテリジェンス(原題)」や「ワイルド・スピード」シリーズ最新作「ファスト8(原題)」、そして未公開の「ベイウォッチ(原題)」といった映画の前払い報酬だった。「ワイルド・スピード」シリーズなどの最近の出演作はヒットに恵まれ、ジョンソンの出演料はうなぎのぼりに上がっている。
「僕は大あばれするのが地球上の誰よりもうまいからね。それに、まともな笑顔も作れる」。ジョンソンは2012年、フォーブスの取材にこう語っている。
2位は中国映画界で活躍を続けるジャッキー・チェンの6,100万ドル、3位は「オデッセイ」のヒットなどで前年から2割増収したマット・デイモンの5,500万ドルだった。4位はランキング常連のトム・クルーズ(5,300万ドル)、5位はジョニー・デップ(4,800万ドル)だった。
デップは今年、妻アンバー・ハードに対するDV疑惑で世間を騒がせた。今月には、700万ドルをハードに支払うことで離婚に同意。ハードはこの全額を慈善団体に寄付した。デップは、ランキングの対象期間(2015年6月1日~16年6月1日)に「パイレーツ・オブ・カリビアン」最新作と不発に終わった「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」でともに推定8桁台の前払い報酬を受け取っており、DV騒動は今年の収入には影響しなかったが、来年の収入は大幅に減る見込みだ。
今年ランキングに復帰した唯一の男優はハリソン・フォードで、昨年公開された「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」で得た莫大な出演料により、2009年以来のランク入りを果たした。
ランキングの四分の一は米国以外の男優だった。インドのボリウッド男優では4人が2年連続でランク入りを果たした。トップはロバート・ダウニー・Jrに並ぶ3,300万ドルを稼いだシャー・ルク・カーン。さらにアクシャイ・クマールもブラッド・ピットに匹敵する3,150万ドルを稼いだ。
男女間の賃金格差は、ほぼ普遍的に存在し続けている。世界で最も稼ぐ女優のジェニファー・ローレンスの年収(4,600万ドル)はジョンソンの71%だった。この割合は、白人男性と比べた白人女性の平均収入の割合である79%よりも若干低いが、ヒスパニック系や黒人の女性が直面している格差よりは高い。
高額の前払い報酬や、興行収入に応じた配当が約束される大作映画での役柄は、女性よりも男性に多く用意されている。さらに言えば、男性の役柄自体の数が女性より多いのが現状だ。最近発表された調査結果によると、映画に登場するせりふ付きの役は男性が圧倒的に多く、全体の71%を占めている。今年の年収が2,000万ドルを超えた男優は18人だったが、女優ではこれが4人のみだった。
今年ランク入りした男優20人の年収の合計は、マネジメント料・税引き前の額で7億350万ドルだった。これは、同じくランク入りした女優10人の合計年収2億500万ドルの3倍以上に相当する。
男優はさらに、女優よりもキャリアの寿命が長い。ランク入りした男優の95%が40歳以上だったのに対し、女優ではこれが50%だった。前述の調査によると、映画に登場する40歳以上のキャラクターのほぼ四分の三が男性だった。フォーブスのランキングに入った女優は全員が50歳未満だった一方、男優の45%が50歳以上だった。また男優ランキングには、ハリソン・フォードとアミターブ・バッチャンという70代の俳優2人も入っている。
ランキングの算出に当たっては、ニールセン、ボックス・オフィス・モジョ、IMDBがまとめた数字に加え、エージェントやマネジャー、弁護士へのインタビューの内容を加味した。