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2016.08.25

投資の成功からダークサイドに陥らないために[海外不動産投資術 第4回]

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不動産投資で安定した収入を得られるようになると、今まで買えなかった物が買えるようになり、やりたかったことができるようになってきます。そうなるとダークサイドに陥る人がいます。かくいう私もそうでした。

不動産投資を成功させ、ご褒美を手に入れることは自体は悪いことではありません。しかし、ご褒美がどんどんエスカレートしてしまうとどうなるでしょうか? 一つを手に入れると、もっともっとと欲が出てきます。

もっと良い車が欲しいとか、より大きい家に住みたいとか、自分の利益だけを追求するようになってしまいます。不必要な高級ブランドを身にまとい、自身の成功をアピールするような醜い成金になってしまいます。そういう我欲のためだけに生きている状態を我利我利亡者(がりがりもうじゃ)と呼び、ダークサイドに堕ちるといいます。

さらに経済的自由を達成すると生活も変わります。好きなときに好きな場所で好きなことをしていられるようになります。決まった時間に起きる必要もありませんし、その日にすることも自由に決められます。

しかし、自分で自分を律する事ができなければ、あっというまにだらけた生活になってしまいます。そのうち当初の想いも忘れてせっかくの自由な時間を無駄に浪費してしまいます。仕事を辞め、入ってくる家賃で好き勝手に遊んで暮らし、酒色におぼれると大切な家族や健康を失うことにもなりかねません。

ダークサイドに堕ちることを避けるには、足るを知るということと、感謝が重要です。不労所得とは、たしかにあなたが働かずに入ってくる所得かもしれませんが、言い換えれば全てのことを他の人々にしていただいている所得になります。

直接的には物件を利用してくださっている入居者さんの家賃を受け取っているわけですがそれだけではありません。物件の客付けから管理、リフォーム、清掃、エレベーターの保守、漏水時に駆けつけてくれる水道屋さんなど全てが、他の人の支えによって成り立っています。不動産投資に融資を利用していたとしたら、どこかにそのお金を銀行に預金してくれている人もいるのです。

こういった全てが繋がっていることを縁起と言います。そういったことを忘れて、「俺がすごいからこんな資産が増えてお金が入ってきた」、と思うようになるとダークサイドに陥ります。周りの人への感謝を忘れ、自分の利益だけを追求する我利我利亡者になってしまいます。
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文=當麻 智

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