マネー

2016.08.29 12:30

2016年末までの世界のM&A、地域別の動向は

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ヨーロッパ・中東・アフリカ地域
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ヨーロッパ、中東、アフリカ地域は第4四半期、前年同期に比べてM&Aの公式発表件数が最も増えると予想される。例外はイギリスで、EU離脱に伴う景気後退や金融市場のさらなる変動により、M&A件数は減少する可能性が高い。

中東とアフリカ北部を除く地域では第2四半期、初期段階のM&A活動が前年同期比15.7%増と堅調な増加ペースに戻っている。テロや移民危機、ギリシャの債務危機やシリアの内戦、トルコの国内情勢やイギリスのEU離脱決定など、この地域が直面している数々の難題を考えれば、いささか驚きの結果だ。

ラテンアメリカ地域
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ラテンアメリカでは依然、一部の国が不安定な経済に悩まされている。深刻な景気後退が続くブラジルでは、今後もM&Aの公式発表件数が減少するだろう。不安定な為替変動と、“トランプ米大統領誕生”に対する恐怖に直面しているメキシコも、同様にM&Aの減少が予想される。

そのほかの多くの国については、第4四半期のM&A発表件数が前年同期を上回るとみられる。特にチリ(第2四半期は72.7%増)、コロンビア(280%増)とペルー(14.3%増)だ。

世界全体としてはまだ見通しが明るいとは言えない

先進国の経済成長は依然として低迷しており、新興国(多くが先進国の需要や資金流入に依存)の経済も全体として、潜在力を発揮しきれていない。特に石油と商品の輸出国は価格下落の打撃を受けている。

中国経済の減速と原材料の需要低下が、世界経済をさらに不安定化させ、金融市場を乱高下させている。世界最大の経済国アメリカは、世界の経済成長がリスクにさらされているにもかかわらず、金融政策は引き締めに向かっているようだ。そして各地の金融市場に衝撃をもたらしたイギリスのEU離脱決定は、今後イギリスのみならず他の国々にとっても大きな不安定要素となるだろう。

編集=森 美歩

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