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2016.08.29 12:30

2016年末までの世界のM&A、地域別の動向は

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世界のM&A(企業の吸収・合併)活動は、第3四半期(7~9月期)には前年同期に比べてやや減少するものの、2016年いっぱいはあまり変動しないだろう――。

米イントラリンクス(Intralinks)は、初期段階(公式発表前)のM&A活動に関する追跡調査結果をまとめた2016年第4四半期(10~12月期)の「ディール・フロー・プレディクター」で、このような見解を示した。

M&Aの動向は地域によって大きな差があり、ヨーロッパと中東、アフリカは16%、ラテンアメリカは11%増加。一方で北米では初期段階のM&A活動が11%減少、アジア太平洋地域では0.4%減少している。

2016年前半に発表されたM&Aの件数と初期段階のM&A活動の件数を基に考えると、2016年度に世界で公式発表されるM&Aの総数は、2015年度をわずかに(0.9%)上回る程度と予想される。2014年の前年比10.8%増、2015年の8.2%増とは大違いだ。以下に地域別の動向を紹介する。

北米地域

2016年第1四半期(1~3月期)は前年同期比9.4%減、第2四半期(4~6月期)は11.2%減と、北米における初期段階のM&A活動は2四半期連続で減少した。景気回復のペースが遅いこと、政策金利のさらなる引き上げが予想されること、そして大統領選挙の結果が読めないことがその理由だ。今後も同じ理由から、M&A活動は停滞するだろう。

アジア太平洋地域

アジア太平洋地域については、東南アジア(第2四半期が47.8%減)とアジア北部(同8.3%減)を除いて、第4四半期のM&A公式発表件数は前年同期をおおむね上回るだろう。

4四半期連続でM&A活動が減少または横ばいだったオーストラリアは、商品価格の下落を受けて回復の兆しがみられる。8月2日に政策金利が過去最低水準の1.5%に引き下げられることが発表されたことが、M&A活動の活発化を助ける可能性もある。

M&Aが際立って活発なのは、前年同期比64.7%増のインド。2014年の選挙で新政府が選出され、ようやく間接税改革が行われる見込みであることが、より多くの投資とビジネス活動を促している。

香港については、中国経済の低迷の影響が懸念されたものの、初期段階のM&A活動は前年同期比9.1%増。日本は5.9%増と、5四半期連続で前年同期を上回った。これは日本政府が約束している景気刺激策の影響だ。
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編集=森 美歩

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