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2016.08.26 07:00

加熱する中国映画市場 テンセントらハリウッド映画STXに700億円出資

turtix / Shutterstock.com

またしても中国とハリウッドの結びつきが強まった。米国の映画会社STXエンターテイメントは8月11日、中国のインターネットサービス大手テンセントと香港の通信大手PCCWの出資を受けたことを発表した。

STXエンターテイメントは、ニコール・キッドマン、キウェテル・イジョフォー、ジュリア・ローバツ主演の「シークレット・アイズ」や、今年6月に米国公開されたマシュー・マコノヒー主演作「Free State of Jones(原題)」などの作品の製作・配給を手がける2014年設立の新興映画会社。今回出資を受けたことにより、世界、とりわけアジア圏の配給にますます力を入れると見られる。

この提携についてPCCWは「香港のみならず世界に向けたコンテンツに対する我々の投資戦略の重要な一歩です。我々はまた、PCCWの専門チャンネルや動画配信サービスを通じてSTXの豊富な映画・テレビのラインナップを香港、東南アジア、インドの観客に届けます」と発表した。

テンセントとPCCWの出資額は明らかにされていないが、LAタイムズ紙はSTXが総額7億ドル(約700億円)を手にしたと報道。同社の評価額は15億ドル(約1,507億万円)ドルに上昇した。

中国の映画市場規模は米国を超える

STXと中国企業の提携は今回が初めてではない。2年前の創業時に中国の投資ファンドHony Capital(弘毅投資)から資金調達しているほか、大手映画会社Huayi Brothers(華誼兄弟)と年に12〜15本を製作する3年契約を結んでいる。

中国は世界第2位の映画市場であり、来年には現在首位の米国を抜くと言われている。調査機関FT Confidential Researchは、今年の中国の総興行収入は昨年比30%増の83億ドル(約8,338億円)に達すると予測する。

中国には外国映画の上映規制があり、年間34本までと決まっている上、国内の大作映画の書き入れ時である夏はスクリーンから締め出される。しかしその規制も今年から暖和され、数々の欧米の映画会社が中国マーケットへの進出を図っている。自社作品を中国で上映するだけでなく、中国企業から出資を受けることも狙いだ。

今年2月、中国の不動産大手ワンダ・グループ(大連万達集団)がパラマウント・ピクチャーズの株式49%取得に向けて動いていることが報じられ、業界を騒がせた。ワンダは2012年に米映画館チェーンのAMCエンターテイメントを26億ドル(約2,611億円)で買収した。また、今年1月に「GODZILLA」や「ダークナイト」の製作会社レジェンダリー・エンタテインメントを約35億ドル(約3,516億円)で買収している。

編集=海田恭子

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