ビジネス

2016.08.25 15:00

高級ブランドの商品を盗難から守る、糸状識別タグが登場


アメリカの小売チェーンの半数以上は、店内でのRFID追跡システムを導入しており、今後数年でほぼ全社が導入予定だ。RFID技術は競争的差別化をもたらすことが証明されており、RFID業界は2026年までに180億ドル(約1兆8,150億円)規模に成長する可能性がある。

だがマルプルは、糸状のRFIDタグの現在の価格(数ドル)を考えると、コストを低く維持したい大手小売企業に売り込むのは簡単ではないだろうと警告する。

「数ドル高くなっても気にならないためには、元の価格が数百ドルの商品である必要がある。それができるのは高級ブランドだけだ」。また彼女は、時間とコストがかかる製造プロセスについても調整が必要だと指摘する。

糸状RFIDタグは2017年早期に発売予定で、既にファッション分野の複数の企業が関心を示している。ラスナヤキは、現段階では高級品を扱わない小売ブランドにとってこのタグの価格が高すぎることを認識している。それでも彼は、高級ブランドが導入を始めれば、製造コストを引き下げることが可能だとも確信している。

「当社の取り組みを真に意義あるものにするためには、全ての衣料品にこの繊維状のRFIDタグを導入する必要がある。広い視野から見れば、これらのタグは衣料品のライフサイクルを向上させ、企業のリサイクルを自動化し、ブランドを損失から守るための一体型の解決法になるだろう」

編集=森 美歩

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