「VRの盛り上がりにはとても興奮している。ゲームやエンターテイメントでVRの普及が一層進むだろう。教育などの分野でもVRの活用は進む。従来のエドテック(EdTech、Education Technologyの略)は知識を効率的に広め、習得度合いをテストすることに重点を置いていたが、VRは全く新しい学習体験を提供する」とスタートアップアクセラレータのブーストVCでパートナーを務めるジェフ・ワッソンは話す。
VR業界の急速な成長には、スマートフォンの普及が大きく寄与している。VRLAでは、多くのスタートアップがVRコンテンツをスマートフォンで手軽に楽しめる機器を発表した。中でも、「LucidCam」は消費者向けとしては世界初となるVR用3Dカメラを開発した。リーズナブルな価格設定で、誰でも簡単に立体視映像を180°撮影することができるのが特徴だ。
スマホ活用の技術が続々登場
「LucidCamはスマートフォンほどのサイズで単体で動作し、VRヘッドマウントディスプレイを接続可能だ。ノキアのOZOが6万ドルするのに対し、LucidCamは399ドルで数多くの機能を使うことができる」と同社の創業者兼CEOのハン・ジンは話す。
VRがこれまでより幅広い分野で応用されるようになったこともVRの普及を加速させている。例えば「Trinity VR」は野球のバッティング練習用にVRを活用しており、新たなデータを選手に提供することが期待される。
オンラインポーカーでもVRはイノベーションを起こしている。「Binary VR」は顔の表情をトラッキングする技術を開発し、対戦相手のアバターにリアルな表情を表現させることに成功した。
「我々は表情トラッキング技術によって、VRの世界でのソーシャルなエンゲージメントを飛躍的に向上させた。アバターにリアルな表情をもたせることで、ポーカーでブラフ(はったり)ができるようになるなど、より豊かなゲーム体験を楽しむことができる」とBinary VRの共同創業者兼COOのケネス・リューは話す。