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Katherine Welles / shutterstock

世界を旅する動画で人気のイギリス人ユーチューバー、ルイス・コール(Louis Cole)が公開した北朝鮮の動画が物議を醸している。彼が最近公開した6本の動画には、仲間たちと平壌にある巨大なウォーターパークを訪れたり、現地のガイドにいたずらをしたり、白い砂浜を歩いたり、兵士たちとダンスをする様子などが収められており、まるで北朝鮮が理想の旅先のように描写されている。

また、北朝鮮では多くの人々が食糧不足に苦しんでいるにも関わらず、動画では彼らがレストランでたらふく食べている様子も紹介されている。コールのユーチューブのチャンネル登録者数は180万人を超え、動画が及ぼす影響は決して小さくない。

コールの動画が問題視されているのは、彼が北朝鮮の華やかな側面だけを捉え、独裁政権下で苦しむ国民の姿を伝えていないからだ。ニューヨークに本部を置く人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチは、北朝鮮について次のように批判している。

「見え透いたプロパガンダ」との批判が噴出

「北朝鮮は世界最悪の人権侵害国だ。金正恩体制のもと、一切の自由が制限されている。北朝鮮の人権に関する国連調査委員会が2014年に発表した報告書によって殺人や殲滅、奴隷、拷問、拘禁、レイプ、強制堕胎など他に類を見ない人権侵害が行われている実態が明らかになっている」

しかし、コールにはそうした実態はお構いなしのようだ。彼は動画の中で「メディアは北朝鮮のネガティブなニュースばかりを伝えるが、僕は良い点に着目して伝えたい。僕は北朝鮮との文化交流の懸け橋になりたい」と述べている。彼はまた、次のようにツイートしている。

「今回の旅行の目的は北朝鮮の人々とつながり、我々の愛を伝えることだ」

コールの北朝鮮訪問について最初に報じたメディア、Vanity Fairは彼の行動を「見え透いたプロパガンダ」と強く批判している。コールが北朝鮮政府から報酬を得ていたかどうかは不明だが、少なくとも滞在中の行動について許可を得ていたことは間違いないだろう。かつてVICEが北朝鮮のドキュメンタリーを制作した際、同社創業者のシェーン・スミスは北朝鮮政府から撮影許可を取るまでに多大な時間と労力を要したことを明らかにしている。

アメリカ国務省によると、過去10年間で少なくとも14人のアメリカ国民が北朝鮮政府によって拘束されており、許可を得ていない場所で写真撮影や移動、現地市民との接触などを行うと、逮捕されたり長期間拘束され、不当に厳しい懲役刑が科せられるリスクがあるという。このため、同省はアメリカ国民に対して北朝鮮への渡航を避けるよう注意を促している。コールが北朝鮮政府のサポートを得ずに好き放題撮影していたのだとしたら、彼らはとっくに逮捕されているだろう。

この点についてコールとユーチューブに対して問い合わせたところ、彼のチームから以下の返答があった。

「北朝鮮を訪問後、コールはプロパガンダに利用されたとして大手ニュースメディアから非難されている。コールらが北朝鮮で地元の人々とサーフィンをして戯れている動画について、北朝鮮政府の影響下で撮影をしたり、報酬を受け取っているなどの指摘を受けているが、これらについては全面的に否定する。動画制作に当たって、我々はいかなる政治団体や政府からも金銭的な支援や影響を受けていない」

編集=上田裕資

 

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