契約期間は18年で、命名権料は総額2億5,000万ドル(約249億9,000万円)。同スタジアムは、マイアミ大学のフットボールチームも使用している。
同社による命名権の取得後、スタジアムは「ザ・ロック」と呼ばれることになるとみられている。「ハードロック・スタジアム」の短縮形ということだが、ハードロックは同時に、マイアミ大学のアメフトチーム「ハリケーンズ」で活躍、卒業後はプロレスラーとして人気を得た俳優のドウェイン・ジョンソン(「ザ・ロック」の愛称で呼ばれる)からも、名称の使用について許可を得る必要があるかもしれない。
ハードロックは当然ながら、ドルフィンズやハリケーンズのホームゲームだけでなく、サッカー国際親善試合、さまざまなコンサート、プロレス団体「WWE」のイベントなどと関わることの価値を認識している。また、マイアミ・デイド、ブロワード、パームビーチの各郡をはじめとする主要な市場と自社名が関連付けて認識されることの価値についても同様だ。さらに、2020年に同スタジアムで開催される第54回スーパーボウルにより、同社ブランドの知名度が大幅に高まることは間違いない。
巨額の命名権契約で得るものとは
ハードロックが命名権に巨額を投じた企業の一つとして知られる存在になったことは明らかだが、同社は本当に、今回の投資に見合った利益を得ることができるのだろうか?
米通信大手AT&Tは、NFLダラス・カウボーイズのホームスタジアムの命名権を取得し、年間1億9,000万ドル(約189億9200万円)を支払っている。この契約に伴い、スタジアムの名称は「AT&Tスタジアム」に変更されている(以前の名称は「カウボーイズ・スタジアム」)。
ただし、地元ダラスの人たち以外の多くは、AT&Tが「アメリカズチーム」(カウボーイズ)と提携していることすら知らないだろう。