「テクノロジーの幅広い活用」が生き残るカギ
米自動車会社フォードのマーク・フィールズCEO(55、メイン写真)は他社の過ちから貪欲に学ぼうとしている。その一例がノキアだ。
「確かに、ノキアはコア事業にフォーカスしていました。新製品では、バッテリーの容量が増え、新しい機能が付いたものです」。ところが、「ユーザーエクスペリエンス(消費者の利用体験)」を最大化するテクノロジーに力を入れたアップルやグーグルを前に、ノキアは敗れ去った。
フィールズは同じ轍を踏まないよう、データ科学者を雇ったほか、シリコンバレーに支社を開くなど、テクノロジーを幅広い視点で捉えている。また、従業員のクルマからもデータを集めている。それをサービスに生かすことで、人々の生活もよりよくできるとフィールズは考えているのだ。
「広告塔」になって消費者との距離を縮める女性社長
今年の1月、インド最大の英字紙「タイムズ・オブ・インディア」に掲載されたある広告がインドで大きな話題を呼んだ。テレビ製造会社「Vu Televisions(ビュー・テレビジョン)」の創業者でCEOのデヴィータ・サラフ(34)が、自ら新製品の広告に登場したのだ。
「物は試し、と思ったのです。それに、私は誰よりもビューのことを真剣に考えていますから」と、サラフは振り返る。反響は大きく、ソーシャルメディア上では「勇敢な判断」と評価された。サラフは、将来的にも同社の広告に出ることを示唆している。「今日のCEOは、オープンで、愛想がよくなくてはいけません」