ビジネス

2016.08.22

チャートから読み解くグローバルCEOの思考[前編]

オバマ大統領と面会する米IT大手の経営者。


Q. 幅広いステークホルダーの期待を踏まえ、以下のステートメントのうち、どれが貴社の姿を表していますか?

Q. 以下のステートメントのうち、どれが貴社の業界で5年後に成功を収めている企業の姿を的確に表していると思いますか?

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会社にとっての羅針盤となる「Purpose(企業の存在意義)」


幅広いステークホルダーの期待に応えるために、世界のCEOたちが重視していることは何か? 世界と日本、双方で高かったのが「短期的な利益よりも長期的な利益を優先する」というものだ(右グラフ参照)。

こうした考えは、市場関係者にも徐々に広がりつつある。例えば、米資産運用大手「ブラックロック」のローレンス・フィンクCEOは今年の2月、S&P500全社と欧州の有名企業のCEOに「短期間で収益を上げるのではなく、長期的な価値を創出する戦略的フレームワークを投資家に示してほしい」という趣旨の手紙を出している。

その長期的な価値をつくる上でカギとなるのが「Purpose(企業の存在意義)」だ。株主や従業員、顧客、社会全体を含むステークホルダーにとって道標となる、会社の使命や理念である。

「"purpose"は、人の心の中にあるものであり、広告代理店が作り上げるものではない。だから私たちは社員の心の中から"purpose"を取りだし、次の七つの単語でそれを表現した。『Real food that matters for life’s moments.(人生の一瞬一瞬にとって大切な本物の食事)』。そして、消費者や従業員との文言が本当に正しいかを確かめた。消費者は、当社のブランドがいかに大切かを語ってくれた。それが当社の全ブランドを包括するものになった。すなわち、全社員が揚げることができる"purpose"であり、なぜ私たちが毎日行っていることが重要なのかに関して、社員の意欲を高めることができる"purpose"である」(デニス・モリソン/キャンベルスープCEO)

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.26 2016年9月号(2016/07/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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