フォルクスワーゲン傘下のアウディオブアメリカ(Audi of America)によると、新技術が搭載されるのは、クロスオーバーSUVの「Q7」、「A4」、「A4 オールロード 」の2016年6月1日以降に製造された車両で、インターネット接続機能「アウディ・コネクト」のプライム会員が対象になるという。アウディの広報担当Mark Dahnckeによると、車両・インフラ間で情報のやり取りを行う「ビークル・トゥー・インフラストラクチャー(V2I)」テクノロジーとしては初めての事例で、オレゴン州のTraffic Technology Services社と共同で開発したという。
この機能を搭載したアウディ車は、一部の大都市圏に設置された交通信号をモニタリングする高度交通管理システムからリアルタイムで情報を受信する。データ通信は車載LTEシステムを使ってTraffic Technology Services社が運営するサーバに接続して行われる。赤信号で停止すると、メーターパネルとヘッドアップディスプレイに信号が青に変わるまでの時間が表示される。
「このサービスは、アウディにとってV2I通信技術の第一ステップだ。将来的にはこのテクノロジーをカーナビや車の発進・停止機能に組み込み、交通渋滞の緩和に役立てたい」とアウディオブアメリカのコネクテッドカー部門でゼネラルマネジャーを務めるPom Malhotraは述べている。
信号機や他の車両と通信をする機能は、自動車メーカーやテクノロジー企業が開発競争を繰り広げている自動運転車に欠かせない技術の一つだ。今回アウディと共同開発を行ったTraffic Technology Services社は、自動車メーカーや部品メーカー、商用トラックなどにテレマティクスシステムやコネクテッドカー用のデータを提供している。Dahnckeによると、アウディとTraffic Technology Services社の間に資本関係はないという。