多様性の実現へ、アップルの大きな進歩から学べる教訓

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多様性がもたらす「それ以上」の効果

アメリカには多様な能力を持つ人材がいる。企業が彼らを採用すべき理由は、ビジネスにとってプラスになるからだ。多様性の受け入れに関する進捗を公表するためではない。

コンサルティング大手のマッキンゼーでは2014年、世界の数百の企業を対象に調査を行い、「人種的・民族的多様性の実現でトップ25%に入る企業は、その国の業界平均よりも30%財務利益が多い傾向が強かった」と明らかにした。

若い世代はより多様性に満ちている

現在、アメリカの労働力に占める割合が最も大きいのがミレニアル世代であり、彼らはその前の各世代よりも人種的・民族的多様性に満ちている。調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、その理由は「アジアやラテンアメリカからの大量の移民や、異なる人種同士の結婚の増加、人種や民族グループによって出生パターンが異なること」などにあるという。

こうした多様性に満ちた世代が職場に増えてくるなか、企業が知っておくべきことは何か。それは、その状況に応じた調整を行うこと。多様性のある職場の利点を学ぶこと。人材募集の方法を変えること。多様性について新たな基準を設けること。そしてこれらを受け入れることだ。

アップルの素晴らしいところは、実際に行動を起こしたところだ。この取り組みは必ずしも簡単ではない。指導部の統率力や規則、実践や成果の評価、そして報告(そのほかにも多くのこと)が必要だ。だが数多くの理由から、これが正しい行動であるという確固たる信念があれば、実現は可能なのだ。

編集=森 美歩

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