ビジネス

2016.08.13

フィットネスアプリ買収のアンダーアーマー、アマゾン出身のCMOを起用 新事業の拡大に注力

Justin Sullivan / Getty Images

契約を結ぶ米競泳男子のマイケル・フェルプスが開催中のリオデジャネイロ五輪で新たに金メダルを獲得、そのフェルプスを起用したCMも高い評価を得ているスポーツアパレル・ブランドのアンダーアーマーが、別のニュースでも注目を集めている。

同社は8月11日、4年以上にわたってアマゾンのグローバル・ブランドマーケティング/マス・マーケティング部門を率いてきたアンディ・ドンキンが、今月22日からアンダーアーマーの最高マーケティング責任者(CMO)に着任すると発表したのだ。ドンキンはアマゾンの「プライム」や「FireTV」、「Fireタブレット」、「キンドル」、「エコー」、リテール・ビジネスのクリエイティブ・キャンペーンを担当してきた人物だ。

ドンキンはこれまで、アマゾンに対する顧客の感情的なつながりとロイヤルティーの側面を特に重視してきた。プライムのユーザーはおよそ5,400万人に上っており、ドンキンの下で展開されてきたキャンペーンは同社に、目を見張るような数字(結果)をもたらしている。

アンダーアーマーは五輪の公式スポンサーではないものの、アメリカン・バレエ・シアターの黒人ソリスト、ミスティ・コープランドやPGAツアーで優勝したプロゴルファーのジョーダン・スピースをはじめ、成功を収めた新世代のアスリートたちを相次ぎ広告に起用していることで知られている。その同社は、世界最大のスポーツブランド、ナイキへの「挑戦者」の立場にとどまらず、同社を追い越すことを目標に掲げている。

そして、アンダーアーマーが特にマーケティングの対象としているのが、ミレニアル世代とそれ以下の年代だ。同社は先ごろ、フィットネスアプリ(アクティビティトラッカー、活動量計)の「マップ・マイ・フィットネス(MapMyFitness)」と、カロリー計算をしてくれるアプリの「マイ・フィットネス・パル(MyFitnessPal)」を買収。ウェアラブルやコネクテッド・アパレルの分野での事業拡大を視野に入れている。これらの分野ではユーザーに関するデータが基盤となることから、大量のデータを保有するアマゾンでの経験を持つドンキンの手腕が買われたものとみられている。

ドンキンはアマゾンでのポストに就く以前、米の格安チケット予約サイト、「トラベロシティ(Travelocity)」のグローバル・マーケティング/メディア担当上級副社長を務めていた。
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編集=木内 涼子

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