しかし、多くの中小企業もまた堅調な伸びを見せている。中でも目覚ましい成長を遂げているブランドのひとつ、米ガブリエル社(Gabriel Cosmetics)は近い将来、年間売上が1,000万ドル(約10億円)を超えると見込まれる。
同社の創設者でCEOのガブリエル・デ・サンティーノが、ブランドの設立と成長の過程について語ってくれた。
―会社の設立は1992年ですが、当時まだこの分野や今ほどポピュラーではなかったと思います。このビジネスに進出した動機は。
当時、私はエステティシャンでしたが、多くの顧客が化学成分が含まれた化粧品を使うのを恐れていました。そこで、ケミカル・フリーのスキンケアラインを探しましたが、化学物質を含有しない本当にナチュラルな製品はほとんど存在しないということが分かりました。そこで、独自のスキンケアラインを創ることに決めたのです。1996年に「ガブリエル・カラー」シリーズを発売して以来、当ブランドは業界をリードし続けています。
―どの様な形で事業が拡大しましたか?
顧客からさらに多くの色と処方で製品をつくって欲しいという要望が出始めたのです。それで、「ZuZu Luxe」というブランドを立ち上げたのです。その後、このブランドに、メイクアップツールやカラーアイテムといった新製品を加えて行きました。
―オーガニック化粧品に対する需要が、これほど伸びているのは何故だと思われますか?
ナチュラルでオーガニックな製品に対する化粧品に精通した消費者の欲求が、この変化を推進しています。消費者らはクリーンで健康的なライフスタイルにフィットする商品を買い求めるようになっています。
―現在、ガブリエルの製品はターゲットや、ホールフーズでも販売されています。どの時点でこれらの大手との提携を結ばれたのですか?
ホールフーズとは、1996年に提携を結びました。健康に良いとされる商品への需要の高まりと共にホールフーズの業績が伸び、これに伴う形で当社の業績も成長しました。昨年後半には、ターゲットからアプローチがあり、4月にはTarget.com で商品の販売を開始しました。
―今後5年間のビジョンについて教えてください。
現在、当社は全米とプエルトリコで4千の小売業者に製品を提供し、eコマースでも大きく販路を広げています。また、カナダ、フィリピンでも製品を販売し、最近ではイギリスやヨーロッパのいくつかの国々にも進出しました。天然の原料でつくった安全な製品を、誰もが簡単に購入できるようにしたいのです。
―この市場に、新たに参入することを考えている人々に、何かアドバイスはありますか?
オーガニック化粧品の市場は現在飽和状態にあります。その中で際立つ存在になる為には、革新性のある製品をもたらすか、もしくはさらにニッチな市場を対象にマーケティングを行う必要があるでしょう。自分自身が情熱を注げる製品を生み出し、自分の信念とブランドの世界観について一切の妥協しないことです。そして、ポジティブな仲間と共に仕事をすることです。