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2016.08.14

人気拡大の「車のリース」契約にあたって知っておくべきこと

kurhan / shutterstock.com

車のリースがかつてない人気を博している。契約台数はこの5年で倍増しており、今や全ての新車販売台数に占めるリースの割合は約30%に達している。理由は簡単だ。平均的な新車の価格(現在は3万3,560ドル=約340.5万円)が、平均的な消費者の手の届かない水準に高騰し続けているためだ。いくつかの欠点はあれど、リース契約にすることで月々の支払額は(購入によるローン返済よりも)23%安くなると、自動車調査会社のエドマンズ・ドットコムは指摘する。

主に若者と高齢者が、2016年前半の新車リース契約の3分の2を占めている。「ミレニアル世代もシニア世代も、可能な範囲の価格内で最も品質の高い製品を求める。またこの2つの年齢グループは月々に使える金額が限られている可能性が高く、そう考えるとリースが最も現実的な選択のようだ」と、エドマンズのジェシカ・コルドウェルは言う。

そして若者であれシニア世代であれ、8月はリース契約を結ぶにはお得な月だ。各自動車メーカーが秋に2017年モデルを発表するにあたって、今のうちにディーラーの在庫を一掃すべく追い込みにかかり、大幅な値引きを行うためだ。

そのため、月々の支払い額が300ドル(約3万円)に満たないものもある。いずれも36か月契約で、多くの場合、契約時の支払額は2,000~3,000ドル(約20.2~30.4万円)。一般に新車購入時の頭金は本体価格の20%だから、それよりも少なくて済む。初期費用が少ないこともリースの利点だ。

だが全ての人にリースが合っている訳ではない。一般に年間の走行距離が1万~1万2,000マイル以上になる人(契約で設定された走行距離を超えると1マイル毎に追加請求が発生する)や、経済的に安定していない人(状況が変わっても契約の途中解約はほぼ不可能)、車の扱いが荒い人(損傷が理由で契約満了時の残存価格が高額になる)は、より安価な新車または中古車で妥協しなければならないとしても、ローンを組んで自分で購入することを検討するべきだ。

また覚えておくべきは、リース契約については、最終的に月々の支払額のベースとなる取引価格の段階から、ほぼ全ての面で交渉が可能だということだ。購入する場合でもリース契約の場合でも、需要の高い限定モデルなど一部の例外を除いて、店頭表示価格をそのまま支払うべきではない。ディーラーを訪れる前にインターネットで価格を調べ、リース契約を結ぶ前に価格交渉をするべきだ。目指すところは「ディーラー仕入れ価格」。これは通常、ディーラーの実際のコストを数パーセント上回る金額だ。取引価格が引き下げられれば、大抵の場合は月々の支払額も引き下げることができる。

また、リース契約の条件も通常はニーズに合わせて調整が可能だ。たとえば月々の支払額を減らしたい人の場合、手付金をより高い金額に設定したり、年間の走行距離をより少なく設定(制限)することができる場合が多い。

リース契約の内容は地域によって異なる場合が多く、またメーカー側によって変更や打ち切りになる可能性もある。各メーカーや地元ディーラーのウェブサイトで、追加条件や詳細について確認をしておこう。

編集=森 美歩

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