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I focus on taxes and litigation.

Christopher Halloran / Shutterstock.com

内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者ジュリアン・アサンジは、8月5日に放送された米HBOのインタビュー番組に出演。同サイトがドナルド・トランプの納税申告書の入手に「取り組んでいる」と発言したが、ウィキリークスはその直後、そのような計画はないと否定した。番組司会者のビル・メイハーが苛立った様子でアサンジを“不公平”だと非難したことが、アサンジの発言を招いたのかもしれない。

トランプ陣営のポール・マナフォート選挙参謀長は、トランプの納税申告書について「公表するつもりはない」としている。ヒラリー・クリントンと副大統領候補のティム・ケインは(民主党全国委員会のメールがハッキングされて同委員長が辞任するという騒動があったがそれでも)トランプの納税申告書の公表を求めている。一方、保守派評論家のジョージ・ウィルは、トランプがロシアと親密な関係にある可能性があると考えている。トランプが、ロシアのハッカーがヒラリーの国務長官時代の“消えたメール”をもっと見つけてくれたらいいと軽はずみな発言をしたことが、まさにアサンジが示唆したようなハッキングの報復合戦を招く可能性もある。

ヒラリーのメールとトランプの納税申告書は、もちろん2つの全く異なる問題だが、いずれも透明性を求めるという意味では同じだ。それでもトランプは、決して申告書を公表するそぶりを見せない。納税申告書の公表は、法律によって定められている義務ではなく、単なる伝統だ。そしてトランプは伝統とは程遠い。著名投資家のウォーレン・バフェット(明らかにトランプよりも好感度が高い)と同じように、トランプも納税額はできる限り少なく抑えると断言している。その一つの理由が、政府の無駄な支出だという。とはいえ彼が納税申告書を公表しない一番の言い訳は、税務監査が終わっていないからというものだが以前、自分以外の誰にも関係のないことだとも発言している。

税金問題を専門とする多くの弁護士たちは、監査が完全に終了するまでは納税申告書を公表すべきではないという点で、トランプの主張に同意している。だが政治のルールは法律とは違い、トランプは大統領に立候補している。それでもトランプのユニークどころではないスタイルを考えれば、人々が待ち望んでいる納税申告書の公表を行うよりも、たとえ批判でも自分についての議論が続く状態の方が、彼にとってはいいように思える。納税申告書を公表しなければ、多くの有権者がトランプには票を投じないだろう。だがトランプが古い型を破り続ければ、一部の有権者は確実に彼に投票するだろうし、納税申告書を公表することで、おそらくもっと多くの票を失うことになる。7月には匿名の有権者が、トランプが納税申告書を公表すれば500万ドル(約5億円)を寄付すると申し出たが、この試みも失敗。大統領選の主要候補者に納税申告書の公表を義務づける法案も、まだ可決はされていない。

アメリカ人は、必ずしも好きにはならなくても、古い型を破る人物を称賛する傾向がある。それでも、納税申告書を公表しないというトランプを尊重する人々でさえもが、彼の納税状況について、ほぼ覗き見趣味に近い興味を抱きつつある。アサンジはおそらく、そのことを理解しているのだ。ではトランプはどうだろうか。選挙で負けたら、自身の納税状況について本を執筆して売り出す――かもしれない。

編集=森 美歩

 

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