19歳少年の「視覚障害者用アプリ」 マイクロソフト主催コンテストで話題に

Dmitry Kalinovsky / shutterstock

「視覚が不自由な人の暮らしが少しでも良くなるアプリを開発したかったのです」と19歳のオルティスは語る。彼が開発中のモバイルアプリAviはスマホのカメラで物や人、文字をスキャンし、その情報を音声でユーザーに伝えるもの。グアテマラのプログラマー、ホアン・パブロ・オルティス(Juan Pablo Ortiz)は13歳の時からプログラミングを始めたという。

「このアプリは薬の処方箋に書かれている文字や手に取った紙幣を教えてくれます。さらに人を検出すれば性別や大まかな年齢、その人が何をしているかまで分かります」

筆者はAviのデモンストレーションを見たが、物体や文字をスキャンすると瞬時に「冷蔵庫」など物の名前や書かれている文字を音声で通知してくれた。現在はベータ版の段階でiOS、アンドロイド、そしてWindows 10に対応した無料アプリとして10月の発表を目指している。

オルティスは兄弟らとともに今年、マイクロソフト主催の学生向けITカップ「Imagine Cup」に応募し、グアテマラ大会で優勝。世界大会に進出した。オルティスがAviに使っているプログラムはマイクロソフトがスタートアップを支援する目的で設立したBizsparkプログラムから提供されたものだ。

オルティスがAviを開発しようと思ったのは、目の不自由な友人が居たからで、この友人は今ではテストユーザーの1人だ。「目の不自由な人はスマホやパソコンを使わないと思いがちですが、実は違うのです」とオルティスは語る。

「スマホのアプリにしようと思ったのは、盲目の人を含めた多くの人がスマホを持っているからです。すべての人がインストールしてくれるようなアプリにすることが夢です」

オルティスは今後、このアプリを目の不自由な人用のSiriやコルタナのような、本格的な音声アシスタントへと発展させ、アプリを「より人間らしく」したいと語る。「アプリに話しかければ日常生活に役立つ情報をすべて答えてくれるようなものにしたいと思っています」とオルティスは語った。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事