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2016.08.11

「次世代のアリババ」目指す中国女性起業家、20歳 チャイナドレスで世界制覇の夢

ommaphat chotirat / shutterstock


中国では現在、大学生の3割、大都市ではその倍の数の学生が卒業後の起業を考えていると言われる。中国政府は2013年以降、大学生の起業を推奨しており、スタートアップのインキュベーターを設立するなど学生ベンチャーの支援を行ってきた。今年4月の時点で、政府系のVCが地方政府や企業から集めた運用額は2.2兆元(約33兆円)に上る。メディアも若い起業家たちを「中国のシリコンバレーを築く新たなクリエイティブ階層」ともてはやしている。

それでも成功する者はわずか3%だ。シーも「誰もが起業すべきだとは思わない」と言う。投資家たちが求めているのは、小遣い稼ぎのためにオンライン上の友人に安いコスメを売ったり、自宅のそばでスイーツの店を開いたりする若者ではない。GSR Venturesのマネージング・ディレクターのアレン・ジュー・シャオフーは「我々はそれ以上のビジネスを目指している人を求めています」と言う。

Pom&Coの野望は大きい。ブランディング部門ディレクターのウェン・タオは「近い将来、Pom&Coのチャイナドレスを幸せな女の子の象徴にしたい」と話す。年内の売り上げ目標は1,000万元(約1億5,020万円)。さらに海外進出も狙っている。

「欧米の方がオリジナルデザインの良さを評価してくれる。今は最適なタイミングを見計らっているところです」とシーは話し「多くの学生起業家は理想が高過ぎるせいで失敗します。私たちは会社の拡大については現実的に考えています」とヨーは言う。

急成長中の同社は人手不足などの問題に直面している。現在の従業員数はフルタイムが7人、パートタイムが2人だが、「あまりにも多くの意思決定に追われています」とウェンは言う。また、今年の秋冬シーズンでは100着の新作を披露する予定だが、デザイン期間は1週間しかない。業者の納品の遅延にも悩まされている。それでもディレクターの3人は全員、会社の未来に関して楽観的だ。

ヨーは言う。「JD.com時代の上司が言っていました。会社が潰れるのは、負け犬が経営している時だけだと」

編集=海田恭子

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