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テックジャーナリスト


すでにインドで存在感を発揮している日本人投資家もいる。ビーノスの佐藤がアジア向けに立ち上げたファンド「ビーネクスト」では、投資の6割をインドに向けている。リブライト・パートナーズの蛯原は7社のスタートアップへ投資してきた。両者はセコ
イア・キャピタル・インディアやタイガー・グローバル等との共同投資・協調投資も進めている。

さらに、トーマツベンチャーサポートはリブライト・パートナーズと共に、日系企業を対象としたスタートアップツアーを共同開催。トーマツの西山は「インドではEC関連の話題が目立つが、実際にはB2Bに関わるスタートアップも非常に多い。さまざまなスタートアップとの連携によってビジネスを拡大できる可能性は大きい」と話す。

そんな中、ラクスルの松本は、すでにインドへ目を向けている起業家の一人だ。

「インド市場は重要かつ、まだ参入する余地があると思っている」

ラクスルは15年にインドネシアの同業スタートアップへ出資、今後もアクセス可能なマーケットを周辺国で広げていく考えだ。印刷業が各国GDPに占める割合は1.2〜1.5%とされているが、アジアには欧米のような圧倒的プレイヤーがまだ確立していない点に着目している。

幅広い産業において、インド企業とのコラボレーションは大きな可能性を秘めている。だが、実際に現地を訪れている日本人経営者はまだまだ少ない。インドのITサービス輸出額を地域別に見てみると、アメリカ62%、イギリス17%、欧州11%、アジア太平洋8%、日本2%とその差は大きく開いている。

「日本の大企業はまだシリコンバレーを見ていますが、シリコンバレーの会社はインドへ来ているのが現状です」(NASSCOM日
本委員長・武鑓行雄)

こうした状況を打開しようという動きもある。インド発のGHVアクセラレーターでは、日本でのデモデイを今年計画しており、今後は毎年継続的に開催していく考えだという。日本企業にとっては、インド進出への最初の一歩として、こういった場を投資に活かすのも有効だろう。

一方、インドのユニコーンの一部は、日本市場へのアプローチを積極化させている。ビッグデータ分析専業として世界最大手ミ
ューシグマ(Mu Sigma)は、大手コンビニなど日本市場の開拓を本格化させている。エンタープライズ向け統合データ保護を手
掛けるドゥルーバも、すでに日本チームが存在する。NASAやテスラモーターズらを顧客に抱え、収益が前年比100%成長する中、日本ではNTTや富士通と関係性を築いているという。デリヒブリーCEOのバルアも、日本企業とのアライアンスを見据えていた。

過去20年、最初のネット人口10億人に対して、イノベーションの中心地としてシリコンバレーの存在が圧倒的だった。今後、次のネット人口60億人に向けたイノベーションを創出する場は、世界に広く分散していくだろう。そのとき、インドが“最有力”と呼べる存在だということは間違いない。

文=土橋克寿

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